治癒師カリナの物語

これは昨今流行りの【異能×冷遇娘の婚姻】ではある。
だが、
この『治癒師カリナの物語』において、
彼らの異能は、最強チートでも羨望の的でも権力の証でもない。
冷遇された“女性”は、“男性”の庇護下でしか生きられないのではない。
救ってくれた相手に安易に恋するのではない。
そして、貴族社会という設定は華々しい舞台装置に留まらない。

これは、傷を抱えた二人の“人間”の、
自由と尊厳、そして信頼と癒やしの物語。


【あらすじ】
とある国の王弟を父に持つ、双子の姉妹。
初代国王と同じ金髪翠眼の妹，ペンネ。
貴族では異端とされる、銀髪碧眼の姉，カリナ。
カリナは婚約者と家督をペンネに奪われ、妹の身代わりに北の国境を守るローヌルフ辺境伯に嫁ぐことに。
北の国境では、魔獣退治と国境の小競り合いが日常茶飯事。
異能を持つ者が重用される実力主義の地。
当代の辺境伯，ファングは“血塗れのファング”の異名を取る狂戦士。
「王弟の血筋の娘など、嫁に要らん」
華やかな王都から遥々やってきたカリナに
彼は見向きもしない。
だが、彼女の秘密を知ったファングは、態度を一変させ……？

辺境の地で、異能の力と貴族の血筋の分断と暗い歴史を知るカリナ。
やがて王都では内政が乱れ、隣国からは戦の影が忍び寄る。
姉妹の絆はどうなるのか、そしてファングとの婚約の行く末は。

カリナの辺境領地暮らしの物語。