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ストルブァンドの調教①

 実のところ、読者諸賢が最も知りたいと思っている内容の一つは調教の方法ではないかと思っている。

 

 なぜかと言うと、私に助言を求めてやってくる妖精飼育者達は私の飼育する妖精を見て「どうすればこんなに温厚で従順になるのか⁉」と口をそろえて言うからである。

 

 その度に私は「愛情をもって根気よく、誠意を込めてこちらの願いを伝えればよろしい」と回答してきたのだが、どうやらそれでは具体性に欠けているということに気が付いた。

 

 よって本書では、ある意味秘伝の妖精調教法を余すところなく記述していこうと思っている!

 

 しかし先に断っておきたいのは、相手は生き物であるという点だ。

 

 生き物とは往々にして同じ種であっても個体別にその性質が大きくが異なっている。

 

 だから決して型に嵌めた完全なマニュアルは存在せず、各個体に合わせたオーダーメイドの方法を常に探していかなければならない。

 

 それこそが妖精飼育者(フェアリーマイスター)のあるべき姿であり、また醍醐味なのである。

 

 さて、それでは本題に戻ろう!

 

 ストルブァンドを効率的に調教するにはまず彼らの生態や解剖学的特徴を理解しなければならない。

 

 これは他の妖精種にも言えることだが、生態と解剖学的特徴の把握無くしてスムーズな飼育はありえない。

 

 それを知らずに妖精を飼育するというのは魚類を油の入った水槽で飼うのと同様か、あるいはそれ以上の悲惨な結果を招く可能性すら孕んでいる。

 

 まず知っておきべきストルブァンドの特徴は、何と言ってもその美しいゼラチン質の皮膚だろう。

 

 彼らはエラ呼吸と同時にこのゼラチン質の肌で皮膚呼吸することが出来る。

 

 そこから分かる通り、彼らはガス室に滅法弱いのである!

 

 ガスと言っても大したものではない。

 

 用意すべきは刺激性のガスと麻薬作用のあるガス。この二種類だけで事足りる。

 

 刺激性のガスは何もマスタードガスのような猛毒でなくていい。

 

 唐辛子を蒸留酒に2週間ほど漬け込んだものを、温めて蒸気にしてやれば十分だ。

 

 麻薬性のガスは色々なものを試してみたが、特別なものである必要はないらしい。

 

 十分にヒキガエル団子を食べさせた個体であれば、ヒキガエルの分泌液を水に溶き蒸気にしてやれば驚くほどの効果を実感できるだろう。

 

 次の項からはこれら二つをどのように用いていくのか、実例を交えながら詳しく紹介していく。

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