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どうしても





 何を傷つけてでも


 何を壊してでも


 何を蹴ってでも


 何を失ってでも


 自分の手を穢しても、誰かを傷つけでも


 手に入れたいものがある


 代えなんてきかない、ただ一つのもの


 使命でも抑圧でもない


 一時の欲なんかじゃない


 私の欲するもの



 束縛された現実


 自由を許す体躯


 黒く綺麗な心と


 白く淀んだ思惑


 儚い言葉と真実


 決して誇れるようなものでもない


 決して捨てるようなものでもない


 ただ刻まれてゆく毎日


 ただ打ちのめされる体


 ただ積まれてゆく歪み


 そんな中で見出した光


 淡白で繊細でコミカル


 整然としていて、とても重い


 触れると離れてしまい


 避けると縋りついてくる


 

 どうしても欲しい

 

 何をしてでも手に入れたい


 今逃してしまったら


 一生空白を埋められなくなる


 熱くて静かな思念


 奪いたい


 捕まえたい


 それなのに


 私は臆病


 私は弱い


 嗚呼


 こんなにも欲しいと思うなんて


 こんなにも執着してしまうなんて


 戸惑いを憶え


 恐怖を駆り立てる


 

 欲しい


 どうしても欲しい


 ねえ神様


 願うなんて滑稽でしょうか


 祈りなんて愚かでしょうか


 

 それでも


 どうしても欲しいのです

 


 


 

 

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