ポーチと影魔法。
ステータスの数字を
自分で考えて話を進めてもらえると
楽しいかもしれません。
街まで行きたいのにうまく進まない〜
初めての戦闘からどれぐらいたったのだろう。
ようやく落ち着いてきた。ゆっくりと私は立ち上がる。
これからどうしよう?
「お腹すいたな‥。」
と言っても近くに食べ物があるわけでもない。
準備されているわけでもない。
改めて異世界に来たのだと思った。
何もかも自分でやらないといけないのだ。
腹の鳴るお腹を抑え、危険を感じながらも
私は再び周りの探索をした。
どこを探しても似たような木ばかり。
食べられそうな木の実はなかった。
そこで、仕方なく剣を見つけた場所へ歩く。
そこには変わらずの死体があった。
腰に付いている小さなポーチが気になり戻った来たのだ。
ポーチを取りたいけど
「死体に触れるのは‥。」と思いもう1つの
影魔法を使ってみる。
ゆらゆらと私の影が動く。それが膨んだり縮んだり。
「んっ‥?‥こう?‥こうかな?」
影を動かすのは結構難しいかった。
針穴に糸を通すような
もどかしい気持ちになっていた。
それから数分後‥
「あぁ〜!!もうっっ!無理っ!!」
どんなに頑張っても影は膨らんだり、縮んだり
影なのにポヨンッ!ポヨンッ!って
音が聞こえてくるぐらいに動くだけ。
それを数分間、我慢して見てるだけだった。
魔力がなくなってきたのか、めまいもしてきた。
そこで限界を感じたのだ。
お腹も空いてるので気が短くなっている。
「ふぅ〜〜」
とため息をつき 大鎌を杖がわりにしてしゃがむ。
自分でポーチをとった方が早いのだろうが
ここまで来たら「絶対、やってやる!」と
意地が出てきた。
休みながらも「どうしたらいいのか?」
と、考えをやめなかった。
1ついい案が思いついた!
影全体を動かすから、うまくいかないのでは?
なら、一部に集中したらと!!
めまいも落ち着いたし回復したと思うので
その案を実行してみる!
私の影を一部伸ばしてみる。
おっ!少し伸びた!
私の影から最長で5メートルほどだった。
気を張り詰めてないと元の影に戻りそうなので
3メートルほどに戻す。
「よし!まず一歩!」
そこからその影の先を5本にわける。
ゆらゆらと不安定だがなんとか形になった!
そう、私がイメージした形は手の形。
影の手でも言うのだろうか?
まだまだ、ぎこちなく不安定だが最終段階にいく!
その影の手を握ってみる‥!結果は‥成功だった!!
やっとできた!嬉しかった!飛び跳ねたかったが
流石に気力が限界に近い‥‥!
急いで、影の手を維持したまま
死体に近づく!よしやるぞ!!と意気込む!!
ポーチのついてるベルトを外すため金具を掴む!
ベルトの金具は元の世界と変わらない作りだ。
よし!そのままバックルを持ち上げて‥
あれ?
「カチャ、カチャ」
「‥カチャカチャ‥カチャ‥」
寂しく響くバックルの音。
人の体重が乗ってるせいでベルトが
うまく動かない。それと両手が必要だった‥!!
今の私は片手の状態だ。
あれだけやったのに泣きそうだった。
ブツブツといじけながらも影魔法を諦め
大鎌をくわみたいに使い近くに穴を掘る。
結局、自分でポーチを外すことにした。
その際に死体を弔おうと思ったのだ。
他人だがこれも何かの縁だと思ったのだ。
地面を裂くように大鎌が入り
掘りにくかったがやっとの事で掘れた。
そこにポーチを外した死体を置き、
ゆっくりと手で土をかけていく。
時間はかかったがなんとか土をかける事ができた。
手を合わせ、目をつぶり私なりの弔いの言葉をかける。
それから土を払い、ある程度身なりを整える。
ここで、ポーチを広げると不安なので
元のひらけた場所に戻ってきた。
地面に腰掛けポーチを漁る。
お腹が空いてどうしようもないのだ!!
これなら食に関するスキルを貰えばよかったと思った。
お腹が減ってはどうにもならない。
ポーチにあるものをどんどん出して行く。
硬いパンが2つ
皮袋に入った水が2つ。
ゲームの世界でも見た下位ポーション1つだけだった。
ポーチは見た目によらず中は広いみたいだ。
魔法の影響なのか?気になったが
それよりも腹ごしらえだ!
異世界に来て初めての食事。
最初に水を飲み身体を潤す。
それから硬いパンにかぶりつく!!
硬すぎてうまく切れない。
味がしない。パサパサだった。
仕方なくパンを大鎌で1口大にカットする。
大鎌は近くの葉っぱで拭き
もったいないと思いながら洗ってある。
パンを頬張り、水で流す。
なんとかパンを1つ食べきり、お腹が膨れた。
「よし!探索再開だ!
こんどは遠くへ!恥まで行くぞ!!」
と、声に出し歩き出す。
目印の代わりに大きな木が見える方向へ
ひたすらに歩く。
この話触りだけだと思ったが
長くなってしまった。
気になればブックマークよろしくお願いします。