第18話 復讐の第1歩
□アルムスフィア聖王国 国境付近 レイメイの丘:《死霊魔術師》一ノ宮和樹
俺は思考を巡らせ、脳内の情報の海に意識を深く潜らせていく。感じた違和感と疑問のキーワードは3つ、飛行、黒いオーラ、魔術への耐性、俺は書庫で手に入れた膨大な情報の中から必要なものを探し組み合わせる。そして俺は1つの結論に辿り着く。
「まさか! そんなことが!? だが確かに理論上は可能ではあるけど......。一体誰が?」
こうして思考にふけっていたが、ふと今は戦闘中だということを思い出し、辿り着いた結論をもとに指示を伝達する。それは昴の高位魔法を炎魔法から聖魔法に変更せよというものだ。そして昴が高位聖魔法をぶつけるとグレイトマンムートに明らかに大きなダメージを与えることができた。
「やっぱりな」
俺は予想通りの結果に勝利を確信した。
そこからはゾンビ戦法や陽菜による火力増加の歌による支援もあり、グレイトマンムートを瀕死まで追い詰めた。ほとんど動かなくなったグレイトマンムートを前にして、俺は秀一から聖剣を奪ってグレートマンムートに恨みを込めて何度も何度も突き刺した。
「お前が! お前が! お前が! みんなを殺したんだ! 死ね! 死ね! 死ね!」
俺はグレートマンムートが息絶えるまで、その体を何度も聖剣で刺した。グレートマンムートの体からは血が噴き出し俺の全身をその血で赤黒く染め上げる。そして息絶える頃には辺りはグレイトマンムートの血の海と化していた。そして俺は血で濡れた聖剣を秀一に投げて返す。その後みんなから魔力を集めて、それを秀一へ与えた。その魔力は秀一の持つ聖剣に送られて凄まじい光を放つ。
「これで終わりだ!」
俺の言葉に合わせて秀一は光を放つその聖剣をグレイトマンムートに思い切り突き刺した。その瞬間聖剣から溢れ出した光が辺りレイメイの丘やその周辺を包み込んだ。俺もあまりの眩しさに思わず手で目を覆う。
その後周辺を包んでいた光が徐々に消え始めた。俺が目を開けるとあれだけ大きかったグレイトマンムートが跡形もなく消滅していた。その後周囲を警戒しながら散策していると、アルデラさん達聖騎士団の死体も見つけたため死霊魔術を行使して蘇生して戦力を増強した。そしてしばらく周囲を警戒していたが、特にもう1体グレイトマンムートが出てくるといったこともなかった。戦いが終わったんだと俺は理解してホッとして安堵のため息をつくと、急に全身から力が抜けてその場に尻餅をついてしまう。
「ハハッ。みんなの仇は俺がとってやったぞ。後はこの世界を理想郷に作り変えてみせるから、見ててくれよな」
俺は空を見上げながら心からの笑顔でそう言った。




