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ヤンデレほいほいな私  作者: しびれと
4/7

昔の話

今回はかいのお話です

結構長くなりました

ヤンデレほいほい略してヤンほいをどうぞお願いします

≪かいside≫

僕には大切な人がいた

僕の唯一の姉 桜姉さんが

日本最大の財閥に生まれた男の僕は当然の如く次期当主で

ちいさい頃から周りのプレッシャーがあった

僕のお父さんやお母さんも僕に愛という名の鞭で僕にきびしくあたった

それは僕が嫌いなんだからではなく愛しているっているのも分かっていた

でも心はまだ追いつけなくて毎日苦しかった

そんな僕の心が安らぐのは桜姉さんといることで

桜姉さんは僕を唯一甘やかしてくれた

それが僕の心の支えであった

毎日僕は時間を見つけては桜姉さんの元へと行き

話をした、他愛もない話を

でもいつからだろう、桜姉さんはある男の話しかしなくなった

まるで桜姉さんがその男に恋でもしているかのように・・・

いや、桜姉さんは恋をしているんだ

僕の知らない男に・・・

腸が煮えくり返るというのはこういことか

憎い憎いまだ知らない男が

僕はその日から毎晩知らない男を夢で何百回も殺した

それから夢で何千回も桜姉さんを抱いた

それから気づいた

僕は桜姉さんに、家族に、抱いていけない感情が抱いていることに

でも手遅れだった

桜姉さんは高校卒業とともにあの男のモノになった

そこで初めて男をみた

名前は佐々ささき れん

桜姉さんの学校の先生で

顔は平凡、真面目で、正義感が強い男

人間としてはいい人だが僕は許せなかった僕の唯一を奪ったことが・・・

桜姉さんの結婚式には行かなかった

いや、行けなかった桜姉さんの幸せそうな顔見れば僕は何を仕出かすか分からない

だから、僕は修行として海外へ旅立った

海外がいる間に桜姉さんに子供ができたと聞いた

名前は椿、子供は女の子で桜姉さんにとても似ているらしい

「つばきかぁー」

桜姉さんに似ているならその子桜姉さんの代わりに・・・

汚い感情が芽生えてくる

結局、おめでとうの手紙だけを送り子供には合わなかった

それから桜姉さんに合わないまま3年たった

それはある日唐突だった

「えっ・・・、桜姉さんが事故・・・」

呆然としたまま日本に戻り、冷たくなった桜姉さんを見て

やっと、気づいた

死んだんだって・・・

親の泣きながらの電話の時にも実感がわかなかった

葬式になるまでの記憶がない、僕の知らない人や知っている人が泣いている

でも僕は涙が出ない、身体の芯が凍えるほど寒い

「桜姉さん・・・好きでした。あなたの愛しい人よりも」

今更手遅れのプロポーズしても桜姉さんは起きない

あー、寒い寒い寒い・・・


葬式も終わりを迎えた

みな、泣きながら帰っていく

だんだん人がいなくなる中で小さな子が一人ポツンといた

僕はすぐにわかった

桜姉さんの忘れ形見「椿・・・」

椿に近づいていくと小さな身体をもっと小さくさせ震えていた

「つっ・・・!」

居ても立っても居られないかった

自分にとって最も憎く最も愛しい人たちの愛の結晶

僕は椿を抱きしめた、優しく優しく

椿は何も映っていない眼を僕に向けた

僕は椿を抱きしめるのをやめて、椿に手を差し出した

「うちに来ないか」

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