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千代の思案
一豊....ではなく千代は考えた。
引き取ることで山内家はどうなるのか。
このまま秀次様が悪い方向へいくならば
お取り潰しもあるだろうと。
そうならない場合にせよ、ここで引き取らねば
山内家は不忠義なもの。として広まることは間違いない...
また秀次様と恩顧な大名は数多い...
「も、勿論でございますっ!!
この山内伊右衛門一豊!お子を必ずや御守り致しまするっ!!」
泣きながら一豊は叫んだ。
そして
夫が隣にいることを千代は忘れていた。
幸太朗の命は少なからず延びたのであった。