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大坂西の丸弐
ちこうちこうと呼ばれに呼ばれ
家康のすぐ側まで近づいた。
正信も家康、辰之助の側により
辰之助の容姿、顔を見てまわる。
辰之助は一寸を見据え
反応せずいるよう努力した。
また、家康等は一豊に歳を聞き直すなどし
辰之助は内心の思いをより高めていたが
抑えるようにした。
しばらくたって落ち着き家康は
「すまんな、辰之助殿。
して、相談とはなにかな?」
「私、山内辰之助は亡き豊臣秀次の隠し子であります。
その後山内に匿われ、山内家の後継ぎとなります。」
家康と正信へ言い放った。
その後秀次の子として産まれてからの
経緯を二人に説明し
「相談とは、いずれ家康様の権力に幅をより利かせた際
ぜひ奉公させて頂きたいのです。
亡き父の子とあらば家康様も警戒なさるのは必然。
ですがいつか信用して下さった時は
そして堂々と父秀次、近臣の供養をしたく存じます。」




