閑話休題 掛川から大坂への道中
辰之助と一豊で
掛川から大坂へ行く道中のこと。
「ここが桶狭間だ。
亡き信長公が今川義元を奇襲し勝った戦場だ!」
養子の辰之助に自慢気に教えていた。
しかし、辰之助は
「え、その時養父様はなにをしていたのですか?
義元を討ったのですか?あれは確か毛利というものが...
というか産まれて15歳ほどでしょうか、初陣、いや織田家にいたのですか?」
一豊は黙り込んでしまった。
似たようなことを清洲、岐阜と続けてしまった為
一豊が黙り、凹んでいたため
気まずい辰之助は
「養父様、姉川について教えて下さい!」
と言った瞬間....
「おっ!姉川はわしの初陣であった!足が震えてのう........」
姉川の話で終わらず、刀根坂の戦いの戦勇振りまで
語り始めた。
ちなみに、一豊は姉川で初陣、刀根坂の戦いで
顔に重傷を負いながらも朝倉の猛将を
討ち取る活躍であった。
ちなみに討ち取られた猛将の子は
代々医業を生業とした模様。
辰之助は一豊の話を熱心に聞いてる
振りをしながらも
(この人チョロいな。)
などと舐めていた。
しかし、以前秀次が治めていた近江など
を通るときや勿論掛川で民に愛されている
様子からただの武働きではなく内政にも
力を発揮していたのであった。
さして話す機会も少なかった父と子
少し距離が縮まったようだった。




