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大坂、初対面
大坂城本丸、控えにて
「辰之助、とにかく目立ち過ぎるな...よいか?」
一豊は辰之助に囁いた。
「そうですね、三歳児らしくしようかと思ってます。」
そう辰之助は言い返すあたりで一豊はより不安になった。
一豊は、大坂の道中に亡き秀次様に似ていないか
秀頼様はまだしも淀君やその家臣等に...など
使えない頭を回していた。
辰之助は
「そう一豊様が不安な顔をしていることのほう
が危ないかと思いますよ?」
と何度も諌めていた。
というかそんな不安なら次期当主にするのを
延ばせばいいのにと思っていたが
一豊もそろそろ終わりが近いことも懸念して
いるのだろうと思うのだが...。
そして秀頼と淀君が現れた。
淀君より
「ご苦労です。表をあげよ。」
ゆっくりと表をあげ
父を殺す原因となった二人を見た。




