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黒田家へ
「山内に!?」
心衛門は驚いた。
「うむ。秀次様の一件次第ではあるがその方がよい。
心衛門は、山内に入れたあとそのまま後見となって欲しい。」
「か、かしこまりました。大役無事果たしましょう。」
こうして秀次の子、幸太朗は黒田心衛門一貞といつに預かることになった。
その夜...黒田家にて
「幸太朗様、改めまして黒田心衛門一貞と申します。
あなた様をお育て致しまする。」
「心衛門様、この子はまだ1歳にもなりませんよ。話がわかるわけな...」
いつは驚いた。
幸太朗がうっかりそれに答えるよう頷いたのだった。
(しまった...!!俺、赤子だった...)
「こ、これは....」
いつは黒田の子を抱えながら、幸太朗を抱える心衛門を見た。
「ま、まさかな...」
次の日、幸太朗は一豊が拾った孤児を黒田家が
預かったこととなり
黒田家の子、名を新助。そして幸太朗の二人の赤子を
守る親となったのだ。
それから約1ヶ月後。
豊臣秀次は高野山へ移され、
その妻や妾、子、近者は監禁されることとなった。