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混同する未来
掛川城 奥の間
一豊は、幸太朗を抱いている。
(秀次様のお子を守り切れるのだろうか...
またこの子は本当に大人しく大丈夫であろうか...)
幸太朗はというと
(一豊、汗臭い...この時代、毎日風呂入ってたのか..?)
産まれて慣れないのは
衛生面である。
「一豊様、黒田様がご到着です。」
一豊は抱き抱えながら黒田のもとへ向かった。
黒田心衛門、いつの前に立ち
「よくぞ来た。早速ではあるがそち達にこの子を預けたい。
秀次様のお子だ。出来るか?」
幸太朗はその話を聞き
(黒田...?いや、あの有名なほうではないだろう...
というか一豊の部下に預けられるのか、確かに安全だけど
そんな贅沢はできないだろうなぁ)
「それは我が黒田家に嫡男が産まれたからでございますか?
廃せよと...?」
恐る恐る心衛門は聞くと
「違うぞ心衛門、廃せよとは申しておらん。
ただ、しばらく匿ってくれというだけだ。
落ちつき次第につき、山内に入れる。」