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掛川城奥にて...
山内一豊城主、掛川城...
「お前様、あの子はいかがしますか?」
道中泣かず笑顔を見せていた秀次の子に
悩む一豊に千代は声をかけた。
「どうするも...誰か預けるしかなかろう...此処では目立つ」
予想通りの返答を受け、直ぐ様
「まずは乳母を探しましょう。」
少し思案した振りを見せ
「姉川の戦いより家来となっている...
黒田様はいかかでしょう。先日嫡男がお産まれになったと」
ほどけたように顔を上げ
「心衛門か、あやつなら問題なかろう、多少の加増をせねばな。」
「それと、黒田様にはこの件を?」
「伝えておいたほうが良かろう。知もある。
何かあれば善き策もあろうしな。
おい、心衛門を呼べ。」