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始まりと終わり。
桜が綺麗頃。
無事大学卒業し、なんとか通った
念願の歴史系雑誌会社に入社出来た
若き歴史家松永幸太。
初出社前日全く眠れず寝坊するという
テンプレをやらかしてしまった....
「初っぱなこれはヤバいよ、とりあえず駅に急がねば...」
卒業式後ぐしゃぐしゃにしたままのスーツに
ネクタイを結び玄関を飛び出した瞬間....
「早く来い....恨みを....」
脳内に囁かれた。
「だ、誰だよ...」
周りを見渡すが誰もいない。
せいぜい50m先に小学生の男の子が4人いるだけだ。
「とりあえず急がないと!」
気を取り直し小学生の子どもたちとすれ違う
一人がニヤリと笑ったのを
幸太は気づかない。