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Space Shop! ~売られた地球を買い戻せ!~  作者: こっこ
第三章 子供も逃げ出す大冒険?
61/86

Episode:61

「もうひとつの、発生星系……」


 非常に珍しいケースだが、これならば辻褄が合う。


 そもそも発生星系というのは、恒星が変光星ではないとか、連星ではないとか、惑星の軌道がどれも真円に近いとか、宇宙規模で安定した環境のところが多い。


 この星系も同じで太陽系によく似た環境だからこそ、木星型惑星だが、ネメイエス人が居るのだろう。


 ならば地球によく似た第四惑星に、地球人に近い炭素系生物が生まれたとしても、おかしくはなかった。

 なによりこれなら、第四惑星とその種族のデータが消せたことも納得がいく。


 だが気づくと同時に、怖気が背中を伝った。

 この星を植民惑星だと判断したのは、生命体の種類がとても少ないからだ。


 発生星系は地球もそうだが、生命の宝庫といえるほど、どこも多種多様の生物であふれかえる。

 なのにそれが植民惑星と間違うほど、生命体の種類が少ないということは。


「壊滅、だよね……」


 あのホールで死を撒き散らし都市の隅々まで虐殺した「何か」は、最後はあふれ出して全土を覆ったのだ。


(い、今は平気だよね)


 ちょっと震えてくる。

 が、もうしばらくここに居るのになんでもないことに気づいて、少しほっとした。


 あのホールの様子からして、その「何か」に掴まったが最後、かなり短時間のうちに死ぬのだろう。


 だが自分もイノーラも災禍の中心と思われるところに足を踏み入れながら、いまだになんともない。

 だから災禍は惑星を死に追いやった後、その効力を失ったに違いない。


「――イノーラ、呼ばなきゃ」


 そんな言葉が口を突いて出た。


 ただの推論だ。

 何か根拠があるわけではない。

 けれど、否定ができない。


 いずれにせよこんな大きな事柄を、姪っ子に伝えないわけにはいかなかった。




 ネメイエス星系第四惑星。名は知らない。

 そこから収集した膨大な数式と、イノーラは文字通り格闘していた。


 何しろホール全体に、居合わせた人が手分けして書いたとおぼしき状態だったのだ。

 どれがどこにあったかは記録してあるが、それにしてもすべてが細切れで、何がなにやらという状態だった。


 しかも一部は、数式でなく文字だった。

 数式の間の文字だから、何か意味があるのだろうといろいろ調べてみたが、結局、銀河標準文字で書かれたただの文章で、時間の無駄になっただけだ。


 加えて数式は、ほとんどがこの星独自の数字や記号で書かれていた。

 そのためこの星特有の進法や記号の解明からになってしまい、ともかく効率が悪いことこの上ない。


 ただ幸い、一部銀河標準式で書かれたものがあったので、それを頼りに少しずつ解いている。


 とりあえずここまでで分かったのは、この星が八進法だということだ。

 銀河標準式と並んでいたものをつき合わせて、やっとそれに気がついた。


 そんな自分をイノーラは、どうしようもないと思う。

 やれ神童だの何だの言われはしたが、たかが進法の違いに気づくのにこれだけ掛かっていて、何が数字の申し子なのだろうか?


体調不良により更新ができず、大変申し訳ありませんでした。

またしばらくの間、夜のみの更新とさせていただきます。

よろしくお願いします。

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