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Space Shop! ~売られた地球を買い戻せ!~  作者: こっこ
第三章 子供も逃げ出す大冒険?
52/86

Episode:52

「むしろあたしたちは、何をどうするか考えなきゃね」

「どういうことです?」


 イノーラが怪訝な声を返した。


「どういうことって、だから何をどうするかだってば」

「何をどうするかと言われても、そもそもどういう事象に対してかが分かりませんわ。

 そこが明確に定義されない限り、どうすると言われてもどうしようもありませんわよ」


 エルヴィラの地球人らしい言葉に対して、まるでコンピューターのような返答が来たうえ、更に続く。


「まったく、おばさまはいつもそのへんが、いい加減過ぎますわ。

 だから行き当たりばったりの行動が絶えないんです」

「はいはい分かった分かった、努力する」


 分かる気も努力する気も無いのだが、とりあえずエルヴィラはそう言った。そうでもしないと姪っ子のお説教(?)は、延々と続くのだ。

 エルヴィラは質問を変えてみた。


「イノーラ、あなたはさっきの〝呪われた〟って話、どう思う?」

「あの惑星の惨状がどこかですり替わって、呪われたという説明になったというのなら、一応理解できます。

 あまり論理的ではありませんが」

「けど、データベースにはないんだよね……」


 エルヴィラにしてみると、やはりそこが引っかかる。

 呪われたという言葉が口をついて出てくるほど有名なら、なぜその事件がデータベースに無いのだろう?

 それに現実的な答えを出したのは、イノーラだった。


「いずれにせよ、答えはこの惑星にあるんじゃありませんの?

 少なくともここが発祥の地なのですから、回答の一端くらいはあると思いますけど。それに――」


 そこで姪っ子が一旦言葉を切り、多分そうとは知らず、エルヴィラにとって決定的な一言を口にした。


「あるとすればそれこそ、銀河政府がなんとしても隠したいほどの〝何か〟でしょうね」

「――!」


 それがあったと、エルヴィラは思う。むしろなぜ今まで気付かなかったのか、不思議なくらいだ。


 無かったのではなく、銀河政府が消した。それなら辻褄が合う。


 そして〝それ〟が何かは分からないが、少なくとも知られて困ること、ではあるだろう。そうでなければ、徹底的にデータを削除したりしない。


 さらに大きな権力がそういう行動に出るときは、何かのパワーバランスを著しく壊すものが関わっている、というのがよくある話だ。


 陰謀論とも言いたくなるが、火のないところに煙は立たない。そしてここは間違いなく、何かが起こった証拠だけはあるのだ。


「……調べるなら、どこがいいと思う?」

 姪っ子に訊いてみる。


 広い惑星をしらみ潰しにしていたら、一生かかったって終わらない。ならばある程度、絞るに限るだろう。

 案の定、的確な答えが返ってきた。


「建物の配置や構造を分析しましたが、とりあえずこの惑星では、この都市が最大です。

 そしてこの都市内では、中央の建物が行政府かその代行のようですわ。

 ですから、その辺りから調べるのがよろしいかと」


 正解とは限らないが、妥当な提案だ。


「じゃぁ次はそこ行くことにして、準備しよっか」

「何を準備すればいいのか、おばさまが分かってらっしゃるとは思えませんけどね」


 またもやの毒舌にエルヴィラは肩をすくめながら、用意をするために立ち上がった。


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