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Space Shop! ~売られた地球を買い戻せ!~  作者: こっこ
第三章 子供も逃げ出す大冒険?
51/86

Episode:51

「まだしばらくそこに居るのか?」

「それなんだけどね……」


 状況をかいつまんで話す。


「――っていうわけで、第四惑星に降りたんだけど」

「ちょっ! おまっ、あの呪われた星にかっ?!」


 情報屋の驚き方は尋常ではなかった。


「呪われた星って……何かあるの?」

「それは知らねぇ。

 けど呪われてるから絶対降りるなって、そこ有名なんだぞ」

「そうだったんだ」


 呪われているという言葉には、ある意味納得がいく。

 あんなふうに死体が放置されたまま捨てられた植民惑星など、そう言われても当然だ。


 だが、何かが引っかかる。

 理由はわからないけれど、呪われていて降りてはならない星。

 銀河系の正規のデータベースには、何の登録もない星。


 あまりにもいろいろ、おかしすぎないだろうか?

 ほんの少しの間考えて、エルヴィラは決めた。


「ねぇ、このネメイエス第四惑星のこと、洗いざらい調べてくれない?

 ちゃんと報酬は払うから」

「珍しいな、アンタがそんな依頼するのは。なんかあったのか?」


 問われてエルヴィラは、降りてみたところ死体が放置されていたことや、銀河系のデータベースに当たったが情報が一切ないことを話す。


「おかしいでしょ?」

「おかしいな。よっしゃ、受けるわこの仕事。

 あ、報酬はいいぜ。今教えてくれたことだけでも相当価値あるし、調べたこと自体は俺も知るわけだからな」


 言うが早いが、契約書が送られてきた。


「ありがとねー、助かる。何か他に分かったら教えようか?」

「そうしてくれたらありがたいな」


 そんな言葉を交わしながら互いにサインし、契約書をセンターに送った。これで成立だ。


「んじゃちょっと調べてくるわ、またな」


 言って情報屋が通信を切る。

 イノーラが不思議そうな声でつぶやいた。


「〝呪われた〟と言いながら、理由を知らないなんて。

 理由がなかったら、そんな話にならないでしょうに。そこに今まで、誰も気づかなかったんでしょうか?」


 エルヴィラにしてみれば「よくある話」でしかないが、全てに合理的な姪っ子からすると、かなり不可解なのだろう。

 いずれにしても説明しきれるものではないので、ちょっとひねった答え方をする。


「誰も気づかなかったから、こうなってるんじゃない?

 まぁ、言い出した人に訊いてみなきゃ、ホントのとこは分かんないと思うな」

「それはそうですけど……」


 姪っ子はまだ不服らしいが、それでもそれ以上問うのをやめた。

 どこかの誰かが言ったことをここで考えても、無駄なことに気づいたのだろう。


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