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Space Shop! ~売られた地球を買い戻せ!~  作者: こっこ
第三章 子供も逃げ出す大冒険?
50/86

Episode:50

 急いで目をそらしたために、中が見えなかったのは幸いだった。

 若い娘のスカートの中ならまだともかく、オヤジの下着など見たくない。


 というかこの情報屋の場合、そういう知識が欠けているから、最悪「何も履いていない」可能性だってある。

 いくら銀河を渡り歩いてきたエルヴィラでも、そんなモノはさすがに見たくなかった。


「とっ……とりあえず、下半身映さないで!」

「えー」


 情報屋が不満そうな声をあげる。


「せっかくフルで用意したのに」

「気持ちは分かるけど、その下半身はヤメて……」


 なぜこの情報屋、毎回こうも見事な精神的ダメージを繰り出すのだろう?

 そこへ横槍が入る。


「いいじゃありませんかおばさま、せっかく用意なさったみたいですし」


 つくづくこの姪っ子、感覚が地球人ではない。もしかしたらさっきのスカートの中身も、平然と見ていたのではないだろうか?


 だがそれとこれとは別の話だ。ただの通信で、精神的ダメージをこれ以上増やしたくない。


「用意してくれた気持ちはありがたいけど、絶対イヤっ!」

「ったく仕方ねーなぁ」


 ぶつくさ言いながらも、情報屋は映る範囲を上半身だけにした。


「これでいいか?」

「うん、ありがと、かなり違う。で、何の用?」


 先日とは逆にエルヴィラから切り出すと、思い出した、という調子で情報屋が手を叩く。


「あの宇宙蝶のデータ、売れたぜ」

「ほんと? 早いわねー」


 まさかこんなに早く、収入につながるとは思わなかった。


「いい感じで売れたぜ。あ、今そっちに振り込むわ」


 エルヴィラが地球で言う「口座」に当たるものを見ている目の前で、残額が増えた。


「ちょっとこれ、ずいぶん多いわね」

「ふっかけたのさ」


 情報屋が笑う。


「あいつら、相当焦ってたらしくてよ。期限迫ってたんじゃねぇか?

 んで、アカデミーの十五倍出してきた。

 あとついでに、アカデミー自体にも売ってやったぜ」

「さすが……」


 長年情報屋としてやってきただけのことはある。この辺の抜け目のなさは、エルヴィラもかなわなかった。


「ま、そういうわけでその額さ。

 こっちとしても稼がせてもらったし、ありがとなー」

「こっちこそありがと。……あ、そうだ」


 ついさっきまで調べていた、ネメイエス第四惑星のことを思い出す。


「救世主とか言うなら、今あたしたちがどこにいるか知ってるでしょ?」

「ネメイエス星系だろ」


 打てば響くような答えが返ってきた。


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