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Space Shop! ~売られた地球を買い戻せ!~  作者: こっこ
第三章 子供も逃げ出す大冒険?
49/86

Episode:49

 地球風に言えばインターネットとでも言うべきデータベースを、エルヴィラはあさっていた。

 銀河系政府のデータベースは、既にあさった。そして何も出てこなかった。


 最初は自分がきちんと探せていないのだと思った。

 だが何度やっても同じ結果で、イノーラに頼んでチェックしてもらっても、やはり見つからなかった。


 この第四惑星、銀河連盟に所属していなかったとはとても思えない。

 銀河連盟の歴史はたしか十万年に及ぶはずで、ここがそれ以前に棄てられたなら、都市はもっと劣化してるだろう。


 それなのに公式記録のどこを探しても、この星のことは出てこない。棄てられたことはもちろん、開拓や移住の記録もまったくなかった。


(――あり得ないよね。なんかおかしい)

 頭を悩ませていたところへ、イノーラから声をかけられた。


「おばさま、通信が。あの情報屋ですわ」

「つないで」


 姪っ子が頷いて操作すると、例のちゃらけた声が船内に響いた。


「いょう、カワイコちゃん。なんか救世主になったんだってな」


 エルヴィラは内心舌を巻きながら答える。


「だからその言い方、ビジネスじゃ使わないって言ったじゃない。っていうか、救世主ってなに?」

「え? ネメイエス全土でそう言われてるって聞いたけど?」


 情報屋の言葉に頭を抱える。きっとあの神話にかこつけて、そういう話にされかかっているに違いない。


「困るんだけどなぁ、そういうの。それにしてもアンタ、ずいぶん早耳ねー」


 ネメイエスと地球の交渉をまとめてから、数日しか経っていない。なのにもう知っているのだから、情報屋の耳は恐るべき長さだ。


「このくらい分からないようじゃ、情報屋やってらんねーって。

 ところでさ、いいだろ、この格好」


 情報屋が着ているものを自慢する。


「うん、今回は悪くないかな」


 エルヴィラも素直に褒めた。

 今回の服装はかなりまともだ。


 金髪に翠の目、なのに浅黒い肌と髭――なぜいつも髭なのだろう――を生やしたミスマッチさはあるが、着ているのは海軍の水兵に多い、セーラー服だった。


 海の上で敬礼でもしたら、案外サマになりそうだ。

 まぁあの熊オヤジバニーに比べれば、なんだってマシなのだが。


「なんかこういう服もさ、地球じゃ人気あるっていうからさ。

 そうそう、ちゃんと下まで揃えたんだぜ」


 言葉と同時にカメラが引いて全身が映り――エルヴィラは突っ伏した。


「この短さがキモなんだってな」


 映った下半身は、超絶ミニスカート。

 股間が見えないギリギリの長さで、故に毛だらけの野太い太ももと脛が二本、短めのソックスを履いた状態で晒されていた。


 地球人としての感覚がおかしいイノーラは平気らしいが、エルヴィラとしては間違っても見たくない代物だ。


「絶対領域、って言うんだろ?」

「ひぃ」


 思わずヘンな声を出しつつ、エルヴィラは視線を反らす。

 画面の向こうの情報屋がくるりとターンし、ふわりとミニスカートが舞い上がったのだ。


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