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Space Shop! ~売られた地球を買い戻せ!~  作者: こっこ
第三章 子供も逃げ出す大冒険?
43/86

Episode:43

「着陸完了。大気は、呼吸はムリですね」

「しょうがないよ、地球じゃないし」


 自分たちに合わせて惑星改造しない限り、他惑星では呼吸出来ない。銀河の常識だ。


「なんか大型の生物とか、居なかったよね?」

「スキャン可能な範囲には居ませんわ」


 姪っ子の言葉に少し安心しながら、それでも用心のために武器を持った。


 ――とっさに使えるかどうか、いまひとつ自信がないが。


 自分たちの専門は商売で、惑星探査ではない。だから今まで武器を使うどころか、持つ必要さえなかったのだ。


 まぁ武器自体は、ほぼ自動で動いてくれるから大丈夫だろう。そう自分に言い聞かせながら、エアロックへ向かう。


 小さな部屋の中が一旦真空になり、次いで船外の空気が入ってきた。

 さすがに緊張しながら、外へ一歩踏み出す。


「うわ……」


 思わず声が出たのは、空が思いのほか青かったからだ。まるで地球のように青い。


「何を騒いでらっしゃいますの?」

「だって、空、青いんだもん」


 違う星なのだから、違う色ということだって十分あり得る。だからこの色は、予想外だった。

 だがイノーラのほうからは呆れたようなため息が、通信回線越しに聞こえてくる。


「船の中からも、見えていたはずですけれど? とうとう視力まで衰えまして?」

「――見てなかった」


 言われてみればその通りなのだが、緊張していたのだろう。地表ばかり見ていて、ちっともそんなところに目が行かなかった。


 次いで、視線を下へやる。


 材質が何か分からないが、クリーム色の平らな床――正確には屋上なのだろうが――が、ずっと向こうまで続いていた。

 宇宙船の大きさと比較して、おそらく十キロ単位だろう。


 こんなものを持ち上げて土台とし、そこからビルを下向きに建ててるのだから、ある意味見上げた根性だ。

 周囲をスキャンしてみると、何ヶ所か都市への入り口らしきものが見つかった。


「……行ってみよっか」


 心なしかいつもの勢いがないのは、ちょっと怖いからだ。


「では、いちばん手近なところへ」


 イノーラが平然としているのは、いろいろな感情がイマイチ抜けているせいだろう。


 この姪っ子、喜怒哀楽がないわけではないが、どちらかといえばコンピューターに近いフシがある。

 ともかく不安半分期待半分で、エルヴィラは一歩を踏み出した。


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