Episode:39
「ありがとうございました……」
「いえいえ、こちらこそ。
なにしろ移住先を見つけていただいたのです、あなたはネメイエスの恩人ですよ」
向こうも少しほっとしたのか、聞こえてくる声に、面白がるような雰囲気が混ざる。
「何より、あなたに感心しました。
異星の政府相手に渡り合う度胸。状況を最大限に利用する機転。なかなか大したものです」
「え……」
それがほめ言葉だと気づいて、なぜかエルヴィラは恥ずかしくなった。
「その、あたし夢中で……」
相手側が笑い出す。
「なるほど、弱い立場ゆえの強さですか。羨ましい」
「そんな、たいしたものじゃないです」
言いながらエルヴィラは思う。こういう異星人と組めたなら、地球の将来も少しは上向くだろうと。
ネメイエス側が満足気に付け加えた。
「あなたへの報酬としての、第四惑星への着陸権と調査権は、既に許可を出してありますよ。いつでもどうぞ」
「ありがとうございます! それとまた何かあったら、よろしくお願いします!」
「ええ、こちらこそ。ではまた」
その言葉を最後に、通信は終わった。
第二章がここで終了になるのを、うっかり忘れていました。なので追加アップです(汗)