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Space Shop! ~売られた地球を買い戻せ!~  作者: こっこ
第二章 あなたに惑星(ほし)の押し売りを
31/86

Episode:31

「あの、でしたら、第四惑星への着陸許可と調査権を!」


 宇宙蝶に連れられて来た、あの地球に似た惑星。地上に遺跡のあるあの星へ、降りてみたかった。


 とはいえ降りたくても、勝手には出来ない。ここは発生星系だから、管轄政府にお金を払って許可をもらわなくてはダメだ。

 だからそれを、対価に欲しいと思った。


「あそこへですか? さすがですね」

「……へ?」

 またまた予想外の言葉に、エルヴィラは首をかしげる。


「おや、ご存じない?

 実はあの惑星、ネメイエス人でも滅多に入れないところなのですよ」

 知らぬが仏と言うべきか、なにやらとんでもないことを言ってしまったらしい。


「話せば長くなるのですが、我々にはひとつの神話がありまして」

「そうなんですか?」

 長くなったらイヤだななどと思いつつ、当たり障りのない相槌をうつ。


「その神話によれば我々ネメイエス人は、あの第四惑星の住人がこの星系の守人として、生み出したのだそうです」

「へぇ……」

 面白い神話だ。


「我々もかつてはこの神話、ただの作り話だと思っていました。

 が、実際に宇宙へ行けるようになって遺跡を発見しましてね。

 だから神話は本当のことではないかと、今は言われています」


 どこか得意気に語る相手の言葉を、エルヴィラは否定しなかった。


 たぶん真実は、彼らにとってどうでもいいのだ。

 伝えられていたことと合致する物があり、自分たちの拠りどころとなる。そのこと自体が重要なのだろう。


「そうしたら……着陸はダメですか?」


「いえ。

 特例中の特例とはなりますが、この星を救うために尽力してくださるのです。誰も異論は唱えないでしょう。

 それに何より、神話どおりですし」

「はぁ……」


 神話続きで、だんだんどう答えたらいいか分からなくなってくる。


「その、えーと、今日のことが神話にでも?」

「神話といいますか、予言ですね。

 『滅びの時、光に導かれたものが道を指し示す』、そうあるのですよ」


 そんな曖昧な言葉、何にでも当てはまるのではないか……と思ったが、口にはしなかった。この手のことに異議を唱えると、後が怖いのだ。

 なので、また当たり障りのない答えをする。


「異星人の私には、ネメイエスの神話のことは知識不足で分かりませんが、許可いただけるのなら嬉しいです」

「こちらこそ、喜んでいただけて何よりです」

 こうして話はまとまった。



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