第二話二人の中心で、助けを叫ぶ。
無いよー無いよー内容が無いよー♪
と、いうわけで相変わらず大したことは書いていない第二話です。
ちょっとだけシリアスかもしれません。
まあさらっと流してください!
俺には、大切な女の子がいる。
いや、いた、の方が正しいだろう。
ーーー
うあああああーーーーーーーーーーーー!!
もういーやーだーああああーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!
…はい、取り敢えず落ち着きます。
すぅー…はぁー…(深呼吸)
…はぁ…
えーと、何があったかと言うと、
前回のあらすじ
朝から機嫌悪めな葉月様(一応親友、女、ドS、美人)と、それをものともせず火に油をじゃぶじゃぶ注ぐタイヨー(一応親友、男、葉月様大好き、バカなのにイケメン)がバトルしだして焦った俺のカバンから小学生女子向けのパペットが出てきてイラついていた葉月様のからかいの標的になりましたとさ
ということです。
はい、意味不明は承知の上なのでプロローグから見てね!(只の宣伝)
それは置いておきまして、
葉月様のからかい攻撃が俺(一応主人公、男、ダジャレ好き、何か色々女子っぽい)の精神を着実に削っております…
あのドS顏がもうなんというか(主にタイヨー関連で)ストレス相当溜まってるんだなというのが凄くわかります…
というか、一応…俺達…親友…なのだと思うのですが…
どちらかというとストレス発散用毒舌サンドバッグにされている気がしますが…
しかも…タイヨーが…葉月様が俺をからかっているせいでかまってもらえなくて、俺にヤキモチっていうレベルじゃない位の怨恨の視線を送ってくるのですが…
…一応……親…友…だと…思うの…ですが…
今なら視線だけで殺されそうな気がしますが…!?
そんなこんなでもう既に色々ギリギリな状態だった俺は2人を置いて一足先に帰途につきました…
ああああああ…叫びたい酒浸りたい蔑みたい
あ、冗談です
ちょっと語呂が良い感じだったので←
と、心の中でごちゃごちゃやっていると、
(淋しい奴)
やっと家に着いた。
「ただいまぁー…」
誰に言うでも無く呟き玄関の電気を点けて、
消した。
静まり返った玄関はとても寒くて、本当ならすぐにでも部屋に駆け込みたい。そして暖房をガンガンつけながらネットをしたい位なのだが…
なんか今それ以上にサムい気配がした。
主に、俺の正面にあるダイニングへと続くドアに貼り付けられた怪しげなメモから。
電気を消したから文字は読めないが、すでに嫌な予感しかしない。
ただ、電気を点けなくては暗すぎて足元が見えない、靴が脱げない。
少しだけあった好奇心も後押しして仕方なくまた点ける。
カチッ
白熱電球の下に浮かび上がる文字、
『お帰りなサイ!
サイ愛の息子よ!!!!
パパより♡(はぁと』
死n…
っとと危ない危ない、今ちょっと俺の目が据わってた気がするZE☆
…ってかツッコミ所満載だな!正に駄目な洒落、略して駄洒落!
ハートの後に謎な上手さのサイの絵が描いてあるし?
最愛…って…!鳥肌たつわーひくわー…
そしてそろそろネタ切れなのがバレバレなダジャレだし。
……俺いつもこんなこと言ってんだ…やだなぁ…今度から気をつけよう…
人のギャグ見て我がギャグ直せとはこの事だな!(注:そんな言葉はありません)
やっと部屋に入れた俺は一つ溜息を吐いた。
親父は滅多に帰って来ない。
それは働いているから仕方ないし、
小3の頃からの事なので、既に慣れていて余り気にしていない。
ただ。
ただ、毎回帰ってくるたびにダジャレを残していくのは止めて欲しい。
発つ親父後を濁すどころか凍らせるのは本当に止めて欲しい。(注:そんな言葉は以下略)
全力で止めて欲しい。
「今度遭遇したら文句言うか…」
ノートパソコンをたちあげながらぽつりとひとりごちる。
…本当は分かっている。
一人で家で過ごす俺を元気付けようと、
わざとふざけたメモばかり残している事位。
そして、もう一つ。
親父はバツがふたつついている。
つまり二回離婚したわけだ。
一回目の母は顏も知らない。
二回目は連れ子同士で結婚し、
しかしたった二年で離婚した。
二回目の義母、
俺にとって初めてできた母と呼べる存在は、
酷かった。
嫉妬深く、どちらかというと母似な俺を毛嫌いしていた。
まるで物語のシンデレラの継母のように。
親父はそのことに気付いたとき、俺に選択させた。このまま一緒にいたいか、それともいたくないか。
そして俺は選んだ。
親父は反省しているのだと思う。
母と一緒にいたくないと選ばせる状況に俺を追い込んだと、
自分のせいだと責めているのだと思う。
だけどそれは違う。
あれは単なる俺のワガママだ。
暴力を振るわれた訳でもないのに、
話せば、歩み寄れば和解出来たかもしれないのにヘタレた俺の弱さだ。
だからむしろ悪いのは俺で、
だから親父には俺の心配をしないで欲しい。
…なんて、な。
ーーー
何だか気分が暗くなったので、ちょっと外をうろつく事にした。
寒い…
コートにマフラーに手袋にニット帽という完全防備だというのにも関わらず何処から隙間風が入るのか、寒過ぎて寒いとしか頭に浮かばない。
寒い…
ひたすらに寒い…
だけど家に帰ってもあのサムいギャグが待っているから逃げ場なんてないじゃないか!
アレだろ、多分サムとか言う外国人がこの凍て付くような空気を吐き出して居るんだろう!どうせ吐くなら酸素吐けよ!そして二酸化炭素吸い込めよ!地球温暖化が緩和されるかもしれないだろ!(無茶な上に意味不明)
と、ブツブツ(アブナイ感じで)呟いていると…
「あっらぁあ?THE☆女の子、なコーダイちゃんじゃなぁい?」
……
こ、この、声、は…
「奇遇ねぇ〜クスクスクスクス」
なんかかなり喋り方わざとらしいけど葉月様!!!
「クスクスクスクスクスクス」
「何で口でくすくす言うんすか!?」
どうしよう普通に笑われるより苛つく!?
「クスクスクス」
「いや、それよりもさっきのTHE☆女の子て何すか葉月様!?何すか葉月様!?」
「煩いわねぇクスクスクス二回も言うなんて煩いわねぇウザいわねぇクスクスクス」
「うわぁ華麗な無視だぁ☆」
しかも笑顔で毒を吐かれた。
「THE☆女の子って言ったのはTHE☆女の子だからじゃない。そんなこと分かり切った事じゃない。バカじゃない?」
韻を踏んで罵られた。
「例えばその女の子みたいな顏とか女の子みたいな声とか女の子みたいな趣味とか女の子みたいな性格とか女の子より女の子らしいじゃない。」
…………。
「葉月様、発言しても宜しいで御座いますでしょうか。」
「赦すわ。」
赦された。
「女の子を連呼して強調するのは止めて頂きたいのですが。」
「却下ね。」
却下された。
「じゃあ、顔と声に関しては生まれ付きなので(認めませんが)取り敢えず置いておくして、性格と趣味に関しては身に覚えがありませんので即刻訂正させて頂きたく…」
「却下ね。」
却下された。
しかも『何言ってんのアンタ』みたいな呆れ顏で却下された。
「何故何故NASA!?」
「NASAの意味を分かっている上で言っているのかしら?」
「済みませんb…「済みま煎餅とか下らない事言うつもりなら口を剥がすわよ?」
「済みませんでしたぁぁ!!!!!」
びしっ!とかっきり90°に恭しく礼をする。
正直、どうやって口を剥がすつもりなのかとても気になるが、それを訊いて『なら試してみようかしら?』などと言い出されたら堪らない。
という訳で、ここは大人しくするに限る。
すると、葉月様はさらに呆れた顏をした。
「そういうところが『女の子』なのよこのヘタレ。男なら立ち向かう位しなさいよ、私みたいに可憐な乙女掴まえてなにへこへこしてるのよ?」
「…」
「…何かしら?」
「かれ「何かしら??」
「いえ何でもないデス。」
只、貴女に立ち向かえる男性はこの世に居ないと思われます。
「…ふぅん?」
「アレ!?今口に出てた!?」
「少なくともタイヨーは立ち向かってきているけどね?」
「………!」
少し驚いてしまった。
「何かしら?」
「や、…俺葉月様はタイヨーの事男に分類してないと思ってたから…なんか以外。」
「…」
「しかもタイヨーフォローするんだ?葉月様が人を褒める様な事を言うなんて珍しいな、と思って。」
「うん。びっくりした。」
「…私を何だと思ってるのよ。」
「まあ葉月様は葉月様だよな」
「うん葉月ちゃんは葉月ちゃんだよね。」
「……褒めているのかしら?」
「うん褒めてる褒めてる」
「まあけなしてるけどね」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…ってかタイヨーぉおお!!!??」
「はーい!タイヨーです!」
「…いつから居たのかしら?全く気配がしなかったわよ?」
「気配!?気配て!?」
「いやあ僕もだいぶうであげたよね」
「…ちっ。次からは全力で撒くわ。」
「てか何この会話!?二人は何者なの!?」
「ふふん」
タイヨー…何だこの得意げで幸せなどや顏。物凄く殴りたい。
…ってもしや。
「…葉月様?」
「発言を赦すわ。」
赦された。
「ま、まだタイヨーにストーカーされてんすか…?」
「ええ。(きっぱり)」
なんの躊躇いもなく頷く葉月様。
「えーひどいなー葉月ちゃん!これは愛ゆえのふかこうりょくだよー?」
好きな女の子と少しでもいっしょにいたいじゃないかーでも姿見せると葉月ちゃんいやがるしー…とブツブツ呟くタイヨー。
……
…うん。
ごめんなさい葉月様。これはストレス溜まるわ。確かにウザい通り越して寒気がするわ。
太陽なのに。
「次はそんな軽口叩けるような余裕なんて無くしてあげるわ。覚悟なさい?」
「え…?な、なにしてくれんの葉月ちゃん!?(ドキドキ)」
…でも2人とも以外と楽しそうだ。もういっそ付き合えば良いのにリア充め爆発しろ。見た目だけなら美男美女カップルか埋められてしまえ!てか仲直りしたのかよかったな!
心の中で(あくまでも心の中で)2人を呪いつつ応援していると、
「…お、」
向こうから小学生の集団が奇声をあげたりしながら喧しく歩いてきた。
おー…懐かしい。
俺も去年までは小学生だった筈だが、
中学に入った途端小学生の頃の出来事があっと言う間に遥か昔のことに感じるのは何故だろうか。『小学生』という存在がとても幼く感じるのは何故だろうか。
まあ、向こうから来る集団は見た所小三くらいだから、六年生ぐらいになるとまた違う印象になるのかもしれないけれど。
そんな事を考えながらその集団を眺めていると、
「…え?」
その中に、
「彼女」によく似た顔を見た気がした。
小学生達は依然きゃいきゃいと楽しそうに声をあげ、時折、うくぃゃあぁーー!など、意味の分からない奇声を発したりしながら俺達の横を通り過ぎて行く。
「彼女」に似た女の子も、顔を真っ赤にして笑いながら、友達に手を引かれて葉月様と塀の間をすり抜ける
ーーー俺には気づかずに。
…まあ、当たり前だろう。本人な訳ないし。
じ、と小さくなっていくシルエット達を見つめていると、
「…」
「…」
俺はいつの間にかタイヨーと葉月様に凝視されていた。
「…?え?何か?どっしました??」
「…滅びなさい。滓、いえ、屑。」
「葉月様、読めません。」
「あはは、カーッス!!クーーッズ!!!
メツボウしろーーー!!!!!!!」
「訳さないでいい!タイヨー!!(泣)」
何故そこまで言われなければいけないのだろうか。
「因みに、滓は役に立たない物の意味で、
屑は居ない方が良い物の意味で言ったわ。」
「解説も要りませんが!?」
と、ポン、と肩に手を置かれた。
横を見るとタイヨーがめっちゃイイ顏をしている。背景が何だかキラキラしている。
ファンが見たら卒倒するだろう。シアワセな意味で。
「コーダイ、お前も男になったんだな。」
「…は?」
元からですが。
「大丈夫、男になら誰にだって変態的な性癖の一つや二つや三つ、あるさ!」
「ねぇよ!!!」
訂正。これを聞いたらファンは卒倒するだろう。不幸な意味で。
てかいつも平仮名っぽい(バカっぽい)口調なのに『変態的な性癖』だけ漢字なのは何故だ!?凄く嫌だ!
「てか何でそんな事になってんの!?」
すると葉月様は俺を腐った卵に集る虫を見るような目で見て言った。
「…只の少女趣味なら見た目的にも問題は無いし害になるわけでも無いから、からかうだけで許してあげようと思ったけれど…まさか少女趣味とはね…」
うん。言いたい事は沢山ある。しかし話が進まないので取り敢えず一つ。
「少女趣味と少女趣味の違いが全く分かりませんが。」
「女の子みたいなものが好きなのとロリコンの差だよ☆」
うっはぁ簡潔だなタイヨー分かり易いぞ!……泣いて良い?
「小学生をイヤラシイ目で見るなんて…嘆かわしいわ…確かにあの子は可愛かったけれど…」
「いやあの、」
「え?そのとなりの男子みてたんじゃないの?」
「何て事…!ショタコンだなんて…!!」
「へ!?いや、」
「まあ、見た目だけなら性別はだいじょうぶだからあと五年くらいしたらふたりのあいだにしょうがいはなくなるな!」
「…十年じゃないかしら?18歳と14歳はまだ危険ね。」
「見た目だけで性別の問題クリアしちゃうの!?」
二人は途中から完全にニヤニヤしていた。
そうかわざとか、わざとなんだな!?
そして俺の親友は二人共ドSなんだな!?
「まぁ、応援するわ、親友だものね、認める事にするわ!」
ニヤニヤニヤニヤ
「うん、しょうがないよね、好きになっちゃったら!」
ニヤニヤニヤニヤニヤニヤ
「…」
誰か、助けて下さい。
俺は二人の間で、心の叫びをあげた。
……あれ、シリアスどこいった?
まぁこれは一応ギャグのつもりで書いているので気にしないでください!
シリアスは長く続けられません、ごめんなさい。
そしてコーダイはいじられキャラなようです。
因みに途中、コーダイは自らの義理の母をシンデレラの継母のようにと喩えていますが、そんな乙女な比喩を使うあたりが葉月様に女の子などとからかわれる所以なのかもしれません。
タイヨーは別にマゾ(M)ではありません。
…多分。
そんな回でした(強引にまとめてみる)