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はじめての気持ち

春のはじまり。

新しいクラスの教室には、まだ少しだけ緊張した空気が流れていた。


タクマは窓ぎわの席で、外を見ていた。

運動神経がよくて、クラスでも人気者。でも、本人はそんなことまったく気にしない。


「ねえタクマ、今日もサッカーやる?」

友だちに声をかけられて、タクマはにこっりと笑う。


「うん、やろう!」


そのとき、ふと目に入ったのは、教室のすみで本を読んでいる女の子だった。


名前はミサキ。

おとなしくて、いつも本を読んでいる子。


タクマはなんとなく気になって、話しかけてみた。


「ねえ、それ何読んでるの?」


急に声をかけられて、ミサキはびっくりして顔を上げた。


「え、あ…これ?えっと…冒険のお話…」


小さな声。でも、目は少しだけキラキラしていた。


「へえ、面白い?」


「うん…すごく」


少しだけ笑ったミサキを見て、タクマもつられて笑った。


「今度、俺にも教えてよ!」


それから、タクマはときどきミサキに話しかけるようになった。

ミサキも少しずつ話すようになって、ふたりはだんだん仲良くなっていった。


ある日の帰り道。


「タクマくん」


めずらしくミサキが先に声をかけた。


「ん?」


「その…今日、楽しかった。ありがとう」


タクマは少しびっくりして、それから笑った。


「こっちこそ!」


夕焼けの空の下、ふたりは少しだけ並んで歩いた。


なんだか胸があったかくて、ちょっとドキドキして。


でも、その気持ちが何なのか、まだ僕はよくわからない。


それでも――


「また明日ね!」


「うん、また明日」


その約束が、すごくうれしかった。

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