表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢は世界のバグを修正する  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

93/110

シーン3 視界の歪み

その瞬間だった。


――ふわり。


空気が、わずかに揺れた。


レティシアの視界の端で、空間が歪む。


まるで水面に石を落としたときのように、透明な波紋が静かに広がる。


床。


シャンデリアの光。


踊る人影。


すべてが一瞬だけ揺らいだ。


レティシアは思わず瞬きをする。


だが。


歪みは消えない。


むしろ――


ゆっくりと広がっていく。


空間の表面が、薄い膜のように震えていた。


(……何?)


その時。


レティシアの視界の中央に、


突然、


赤い文字が現れた。


空中に浮かぶ、見慣れない文字列。


それは、まるで誰かが透明な空間に直接書き込んだかのように表示されていた。


SYSTEM ERROR

WORLD CODE FAILURE


レティシアの瞳が、わずかに見開かれる。


心臓が一拍だけ強く鳴った。


だが。


彼女は声を上げない。


ただ静かに、その文字を見つめる。


赤い光は淡く点滅していた。


しかし。


周囲の世界は何も変わらない。


楽団は演奏を続けている。


貴族たちは笑い、


グラスを傾け、


踊る者たちは音楽に合わせて回っている。


誰も空を見上げない。


誰も驚かない。


つまり――


誰も見えていない。


この赤い文字を。


レティシアはゆっくりと周囲を見渡す。


反応はない。


完全に、いつも通りの舞踏会だ。


再び視線を戻す。


空中に浮かぶ赤い文字。


SYSTEM ERROR

WORLD CODE FAILURE


それは確かに存在している。


だが。


この異常を認識しているのは、


この広い舞踏ホールで――


レティシアただ一人だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ