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悪役令嬢は世界のバグを修正する  作者: 南蛇井


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シーン8 証人崩壊

魔法映像が静かに消える。


青白い光が収まり、


舞踏ホールには再び現実だけが残った。


しかし。


誰もすぐには声を出せなかった。


今見たものが、


あまりにもはっきりしていたからだ。


階段。


リリア。


よろめき。


そして――


誰も触れていない。


静寂の中、


一人の男の呼吸だけが荒くなっていた。


騎士家の子息。


レオン。


彼の顔は青ざめていた。


額には汗。


唇が震えている。


彼は思わず一歩下がった。


「私は……」


声がかすれる。


「私は確かに……」


だが。


続かない。


言葉が出ない。


レティシアは静かに彼を見ていた。


怒りも嘲りもない。


ただ事実を確認する目。


そして、淡々と言った。


「誤認です」


短い一言。


それだけで十分だった。


会場がざわめき始める。


貴族A

「見た通りだ……」


貴族B

「突き落としていない」


令嬢

「事故だったの?」


別の貴族が言う。


「レオンは」


「落ちそうな瞬間を見て」


「そう思い込んだのではないか?」


ざわめきは大きくなっていく。


レオンは言い返そうとする。


「ち、違う……私は……」


しかし。


もう誰も彼を信じていない。


なぜなら。


映像がある。


そして映像は嘘をつかない。


貴族の一人がはっきり言った。


「突き落としていない」


別の声。


「つまり」


「証言は間違いだった」


その言葉が、


舞踏ホールの空気を決定的に変えた。


レオンの証言。


断罪劇の柱の一つ。


それが、


完全に


崩壊した。


人々の視線がゆっくりと動く。


証人ではない。


レティシアでもない。


その視線は、


壇上に立つ人物へ向けられる。


王太子アルフォンス。


断罪を宣言した男。


彼の顔に、


初めて


はっきりとした動揺が浮かんでいた。

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