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悪役令嬢は世界のバグを修正する  作者: 南蛇井


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第3章「断罪劇」シーン1 王太子の宣言

「証拠は?」


レティシアの言葉は、静かだった。


しかしその一言は、舞踏ホールの空気を完全に凍らせていた。


数百人の貴族が、息を呑んでいる。


王太子アルフォンス。


証言した若い貴族たち。


涙を浮かべるリリア。


誰もが、その言葉の重みを理解していた。


証拠。


それは噂ではない。


感情でもない。


事実を示すものだ。


しばしの沈黙。


だがその沈黙を破ったのは、アルフォンスだった。


王太子は眉一つ動かさず、まっすぐレティシアを見据える。


そして言った。


「もちろんある」


その声は落ち着いていた。


むしろ、どこか自信さえ感じられる。


ざわめきが広がる。


貴族たちが顔を見合わせる。


レティシアは表情を変えない。


ただ静かに、続きを待っている。


アルフォンスはゆっくりと腕を上げた。


その動きは、まるで舞台の幕を上げる合図のようだった。


「証人だ」


その言葉が落ちる。


舞踏ホールの空気が、ぴんと張り詰める。


証人。


つまり――


ここにいる誰かが、


レティシアの罪を目撃しているということ。


アルフォンスの背後に控えていた若い貴族たちが、ゆっくりと前へ出る。


侯爵家の子息。


騎士家の嫡男。


有力貴族の令嬢。


彼らは王太子の周囲に並び、舞踏ホールの中央に立った。


その姿は、まるで裁きの場に立つ証人たちのようだった。


ざわめきが静まる。


誰もが理解した。


これはもう、ただの婚約破棄ではない。


公開の場で行われる――


裁き。


断罪劇。


王太子アルフォンスは、はっきりと宣言した。


「これより」


「証言を行う」


その言葉とともに。


舞踏会は完全に姿を変えた。


ここはもう社交の場ではない。


公爵令嬢レティシア・アルヴェルンを裁く、


公開裁判の場だった。

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