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パンと女子高生~焼きたてな出会い~
「いけない、遅刻遅刻!」
制服姿の女子高生は、学校へ向かう途中、慌てて角を曲がった。
その瞬間――ごつん、いや、ふんわりと
何か柔らかいものにぶつかった。
「えっ……?」
足元を見ると、ころんと転がった一斤のパンがあった。
まるで今ぶつかったのが必然だったかのように。
パンは小さく震え、恥ずかしそうに呟いた。
「……パン。」
女子高生はきょとんと目を見開く。
「え……今、喋ったの?」
彼女はそっとパンを拾い上げた。
それと同時に、何か粉のようなものを差し出された。
「この粉って、、、、もしかして、イースト菌?」
パンは小さく答える。
「……パン。」
少女は口元を緩め、照れ隠しのように言った。
「もしかして、パンにならないか、ってことかな?ありがとう。」
パンは嬉しそうに声を弾ませた。
「パン!」
――こうして、女子高生とパンの奇妙な関係が始まった。




