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武闘派作家の取材記録〜悲劇の虚構救者〜  作者: 鍵男
1章、天文台の聖女
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天文台の聖女、忘却のフラッシュフォワード(挿絵あり)

挿絵(By みてみん)



夢を見た。


その街は、遠くない未来に破滅する。

聖女はそれを見たが、なにも感じなかった。

――それが運命の選ぶ最善なら、と。

作家を殺し、星図は完璧へと還った。

未来はどんどん鮮明になっていく。

けれど、見た未来は「指針」ではなかった。

それはすでに「行動と結果そのもの」だった。

人の心を失った聖女の未来は、常に正しかった。

街にとって、最善の結果をもたらし続けた。

少なくとも、そう信じる人々にとっては。

――他の未来は、考えない。





人の心を無視した政治は、多くを殺した。

人々もまた、その犠牲を当然と受け入れた。

聖女は予言どおりにナイフを手に取る。

淡々と首にあてがい、自らを切り裂いた。

床に倒れ、目前に赤黒い池が広がる。

その血に映る星空。

ひときわ強く輝く北極星。

聖女は満足げに目を閉じた。

池に混じった一粒の涙を知らぬまま。




――もし、何かが違えば。

皆で大団円を迎え、笑い合えたのかもしれない。

これは、俺が救うべきバッドエンド。

書き換えなくてはならない結末だ。



一章、天文台の聖女、開幕

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