Moment
風に揺れる長い髪や
睫毛の影がうつる頬
それがあまりに美しいから
私は君に声を掛けたのだ
君の隣に座るのは
理由もなくただ嬉しい
ポケットの懐中時計を見る姿にも
私の胸は高鳴った
君の懐中時計が
左に回る夢を見た
何時までも続くといいのにと
願いながらスキップをする
どうして時計を見ているの
無神経な私の問いに
諦めたように君は笑うから
私は急に寂しくなった
君の隣に座るのは
理由もなくただ切ない
ポケットの懐中時計を見る姿に
私の胸は高鳴った
君の懐中時計が
左に回る夢を見た
君の手を掴めなくなるのではと
私はただ恐いのです
はやく大人になりたい
ふいに君は呟いた
時間になんか捕われない
大きな世界が広がるの
君の懐中時計が
左に回る夢を見た
子供な私をひとり置いて
君はどこかへ行ってしまうの?
君は終焉を望むけれど
私はまだ
君の懐中時計が
左に回る夢を見た
夢でなければいいのにと
君を苦しめ、願うのです