第98話 戦いの収束
「はーい、もう終わりー!」
私の言葉に、戦っていた2人が動きを止める。
もちろん、カイルはサイスさんが放った魔法を避けてからだけど。
「な、何故ですか叔母様!」
「これからだったのに……」
いつのまにカイルはそんなに好戦的になったの!?これから、とかやめて!?平和的にいこうよ!
いや、戦いを何時間も止めなかった私も悪いんだけどさ。
「もう戦う理由はないでしょ。サイスさんが私たちをさらったのは、海の力関係が崩れるといけないからだったって、さっきも聞いたんだから。平和的に。ね?」
2人をなだめるように、私は発言する。
本当はさっき、サイスさんが理由を話してくれた時に戦いをやめるべきだったんだよ。というか何で止めなかったんだろうね?
まぁとりあえず、そういうことだから、カイルは「隙ありっ!」って言って魔法を放たない。そしてサイスさんも反撃しない。
サイスさんほどではないけど、カイルの魔法も広範囲かつ高威力なんだからね?私も有効範囲から避けるの大変なんだよ?
「はいはい、もう行くよ、カイル」
私は、まだ魔法を放とうとしているカイルに抱きついて、腕を拘束する。
ちょ、ジタバタしないで!?
「それでサイスさん、どうやって帰ればいいの?結構な時間経っちゃったし、みんな心配してると思うんだけど……」
えぇ、はい。責任の一端は私にあります。
「あぁ、分かりました、私が送りましょう。時空間属性の魔法で、2人の記憶を残したまま先程の時間まで送り届けますから、心配しないでください」
おぉ、時空間属性の魔法って万能だね。
っていうか、カイルと戦ってたときに使ってなかったってことは、あれでも手加減してたのかな?それとも、分からないように使ってたのかな?
…………うん、どっちにしろすごいね!
「サイスさんありがとう!お願いします」
私がペコリと頭を下げると、サイスさんは気まずそうに口を開いた。
「あのぅ……」
何を言おうとしてるんだろう。
私は「ん?」と首を傾げて、先を促す。
「叔母様相手に失礼だとは存じておるのですが、今は弱体化して記憶を失っているご様子。我の加護を与えられないかと……」
「加護?」
加護ってなんだろ。前世では、なんか対象を護ったりする能力みたいな意味だったと思うけど。




