第96話 謎の水龍
「っ!?み、ず!」
意識が飛んでいたことを自覚した瞬間、鼻と口に水が流れ込んできた。
やばいっ!
そう思い1度開いた目を思いきり閉じると、身体が勝手に魔法を発動する。
「げほっ、ごほごほっ」
周りの水を凍らせて海の上から持ってきた空気ごと私を覆っているらしく、息ができるようになった。
「このまま上に上がって体勢を──っ!?」
気配を感じて振り向くと、蒼い巨体が見えた。そして、強烈に目に焼き付けられた太い足──ではなく、尻尾も。
あれは?龍だと思うんだけどな、なんか空に浮いてそうな感じの。
『お前……い、いやまさか、叔母様でありますか?』
「うぇっ!?」
綺麗な紅い瞳に見惚れていると、その竜が話しかけてきて、思わず飛び跳ねる。
「叔母様!?もしかして、わ、私のこと?」
『はい!姿形は違えども、その魂の輝きは叔母様とお見受けします!』
「それは分からないけど……」
それよりも、なんで水の中で話せてるんだ?私は周りに空気があるけど、この竜の周りにはそんなもの見えないし……。
『ま、まさか……叔母様ではないと……!?』
「えぇっと……叔母様?私、あなたが誰かもわからないんだけど……?」
『なっ……!?』
えっと……そんなに驚愕されると、なんか申し訳なくなってきた。
『ま、まさか……!?我が小さい頃は、あんなに遊んでいただいたのに!?』
やっぱりなんか申し訳ないな。
「えっと……なんかごめんね?」
「は、はい……では、改めて」
ごほん、と1度咳払いをした竜は、自己紹介を始めた。
「我はサイスと申します。この世を創り上げた創造神に仕えておりました。原天使でありました母は最近亡くなりましたが、生命の神であるエリカ様の妹にございました」
「おぉ……」
なんかすごそうな事実がでてきた。
創造神?原天使?
分からない言葉が多いけど、つまりこの竜は……エリカさんっていう人の、甥ってことでいいのかな?
私がそのことを理解したとき、私の背中から何か黒いものが飛び出してきた。
「何っ!?」
咄嗟に叫ぶけど、叫んでいる最中にそれが誰か分かったので、答えは要らない。
「とりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
カイル!?
お読みいただきありがとうございます。
バタバタしてて1ヶ月ほど更新できませんでしたが、今後ともこの作品をよろしくお願いいたします。




