第9話 行方不明事件です
「んにゅーうぁぇんなぁぁ……」
うぅぅぅぅ。よく寝たぁ。今日の朝ご飯は何かな。
「しょーだった……」
完璧に忘れてたよ。今日もレースで思い出したけど、ここはグランドール王国の王城だったんだ。
でも、マリーは?昨日みたいに特別な日以外は、いつも隣にいるのに。
「マリー?いにゃい?」
問いかけるが、声が返ってくることはない。
メイド達のいる部屋にも行ったら、来てないけど、今日は休みではない、っていう情報が得られた。本当に、どこに行っちゃったんだろう。
──はっ!マリー、今日寝坊じゃない?いつも遅れずに来るマリーでも、寝坊することくらいあるよね。昨日なんて特に忙しかったみたいだし。
「しょれにゃら、えいっ」
私は魔力を可視化する魔法をかけた。[魔力探索]って言って、平民や貴族も危険を回避するときとかに使うから、最初に覚える魔法なんだって。
このまま、マリーの部屋に行ってみよう!マリーは雷が適正だから、雷の黄色の人の塊があるのを探すとマリーの部屋が分かるはず!
…………おかしいなぁ。お父様の部屋以外には、黄色の塊がない。もういいや、誰かに聞こう。
「アシュカ!マリーのへやはどこ?」
はじめに聞くのは、近くにいるであろうアスカ。
でも、返事は返ってこない。
マリーの部屋を教えられない理由があるのかな。仕方ない、お姉様に聞こう。
「アリスお姉様、ジェニお姉様、ステアお姉様」
隣の部屋にいるお姉様達に聞くと、マリーの部屋は二階の端の部屋だと教えてくれた。
「マリー!今日は寝坊!?…………あるぇ?」
私は元気よくマリーの部屋を覗くが、見えたのは水色と緑色の、魔力の塊だけだった。
「なに、こるぇ……」
えっと…………。
水色は空間、緑色は草だよね。水色の塊が二つあるってことは、誰かが物を出し入れしたり、転移したりしたってこと。マリーは空間属性は使えないって言ってたから、他の人が使ったんだ。マリーが城の中にいないことも考慮すると……。
「マリーが、しゃらわりぇた!」