第88話 漁業体験
30分後。
「…………」
「…………」
1時間後。
「…………」
「…………」
2時間後。
「…………」
「…………」
3時間後。
「うぅぅぅぅぅあぁぁぁぁぁ!!!!」
「うぁぁぁぁぁ!!なんでだぁぁぁぁぁ!!!!」
「うるさいぞ、ルカ。それにカイル」
「2人とも静かに」
「そんなだから釣れないんですよ」
我慢できなくなった私とカイルが叫ぶと、3人から鋭いツッコミが飛ぶ。
「まぁまぁ。とりあえず、2人とも落ち着いて?」
優しいマインが声をかけてくれるが、私の気分は晴れない。
だって、私達だけ1匹も釣れてないんだよ?みんな2、3匹は釣れてるのに。
「まあ……それは、仕方ないっていうかなんていうか」
「ですよね」
「なんでっ!?」
キャルとフィーアが、困ったような顔をして笑う。
驚いたカイルをアルファードが宥めてるけど、私も同じこと思ってたよ。
「いや、だってさっき……」
「2人だけ餌に魔力込めすぎだったし」
魔力を込めたのは、餌を針に刺す前。餌に少しだけ魔力を込めると魚が寄って来やすい、って教えてもらえたから、みんなで込めたんだよね。
「魔力?みんなも込めてたじゃん」
「それはそうだけど、量がね?」
「量?」
ちゃんと少しだけにしたよ?込めたの一瞬だけだよ?
「私と同じくらいの時間しかこめてなくても、魔力の密度が大きい2人ですからね」
「魔力込めすぎたら勝てないと思って魚が寄ってこない、って、村長も言ってただろ」
そうなの?楽しみであんまり話聞いてなかったから分かんないけど、マルクスが言うならそうなんだろう。アルファードとかフィーアも頷いてるし。
ちなみに、キャルは驚いてマインに呆れられてる。一応、マインがお姉ちゃんなんだっけ。姉って良いよねぇ。
前世では生意気な弟しかいなかったから、素直で可愛い妹とか凛々しくてかっこいい姉とか憧れてた。
「……ん?」
釣り竿に異変を感じて、海を覗き込む。
やっと1匹目がかかったかな!?
「それなら!」
ハイムに教えてもらった引き上げ方法を意識しながら、おりゃっ、と釣り竿を引く。
「え、なにこれ……」
投稿遅れました。待ってくれてた人がいたら申し訳ございません。




