第87話 海へ出発
「それでは、出発しましょう!」
おぉ、エルル先生、結構ノリノリだね。船が壊れたって聞いたときも落ち込んでいたし、エルル先生もかなり楽しみにしてたのかも。
私達が乗るのは、Aの3の船。英語は船の大きさや種類を、そしてその後の数字は何艘目の船かどうかを表しているらしい。
さっきハイムが言ってた。
ちなみに、さっき沢山謝ってきたハイムは12歳で、来年、学園入学をする予定らしい。
昨日の宿屋での夜ご飯のときに少し話したんだけど、船ではそんな話が聞けた。
私たちが通う学校は、辺境の貴族や商人、平民はもちろん外国の人々も受け入れている、この世界初の学校だ。
来年入学ってことは1学年差かぁ。学年が違っても一緒に楽しめる行事と言えば……体育祭とか?
学園祭とかもありそうだけど、そもそもこの世界の学校は前世のそれとは違うし。
でも、私もまだ1年生だし来るなら来い精神だから、どんな行事があるか知らないんだよね。
まぁ、ナナがお願いしたなら、そういう行事もあるんだろうけど。
「よし。これからは釣りをします。1人1つ釣り竿を持って、先にこれをつけてください」
村長がそう言うと、村の人たちが餌の入った木箱を持って1人3つずつ渡し始めた。
私はハイムから餌を3つ受け取り、釣り竿に付ける。釣り竿の先には針があり、それに刺せば良いらしい。
練り物の餌は形を変えても良いって言われたし、せっかくだから魚の形にしてみよっかな。
私が指で餌の形を変えていると、後ろからキャルとマインが覗き込んできた。
「……それ何の形?にんじん?」
「ごぼうだって。上手いね、ルカ」
「うっ……」
そんなに下手かな?
い、いや!そんなわけない!きっとたまたま分からなかっただけだよ!
マルクスとアルファードなら分かってくれるって!
「なんだ?これ。馬か?」
「薔薇かな?僕は上手だと思うよ」
ふ、フィーアならっ!
「ピアノですか。上手だとは思いますけど……この世界にないものを作ったら不審がられますよ」
…………。
「あ、ルカ!ルカは魚の形にしたの?相変わらず上手いね」
「カイルぅぅぅ……カイルだけだぁぁぁ」
「うぇっ!?る、ルカ!?どうしたの!?」
私がカイルの胸に飛び込むが、カイルは後ずさることもなく受け止める。
周りにいる5人のクラスメイトが目を見開いて驚いてたけど……なんでだろう?




