第85話 弁解
「え、えぇっと……ス、スイの姉は王城で王女様の専属メイドをやってて!王女様が学習される姿を隣で見て、理解できた内容を教えてくれたんだよ!」
「そ、そうです!幼馴染の私たちも、スイのお姉さんに勉強を教わってたんですよね!」
カイルとフィーア、ナイス!!
王族の学習内容なんて知ってる人がこの中にいるはずないし、これで前世関係のことがバレなくて済むよ!
「……スイ?」
「スイって誰?」
「スイ……それ、もしかしてルカのこと?」
……前世関係のことはバレなくても、私の身分関係のことがバレそうだね。
この場を切り抜けるには……っ!言い間違えたってことにすればいいんじゃない!?言い間違いなら誰にでもあるし、仕方のないことだし!
スイ……っていう名前の人は、私しか知らないな。じゃあ、ルカとスイの接点は……あっ!
「ぼ、僕のお姉ちゃん、実はスイ第4王女様の専属メイドやってるの。だから2人とも、間違えちゃったんじゃないかな?」
学校での私の名前はルカ・ペレンタ。
マリーの妹ってことになってるから、少しならバレても問題はないはず!
「えっ!?」
「ルカのお姉ちゃん、そんなに凄い人だったの!?」
「王女様のお話聞かせてーっ!」
……………………他の問題が発生しそう。
「ルカ、このままだと質問攻めに遭いますよ」
「そんな事になったら、ボロが出ちゃいそうだね」
隣にいるフィーアとカイルも気づいたみたい。
でも、話なら後で聞くこともできるから、これでみんな諦めてくれるはず!
「と、とりあえず、船を直さないと!魔法使えて手伝ってくれる人は、こっちに集まってくださーい!」
「魔法が使えない人も、荷物運びとかで手伝ってくれると助かります。そういう人はこっちへ!」
私が声を張り上げると、フィーアが魔法が使えない生徒を集めてくれた。カイルと先生は、魔法が使える生徒たちを連れて船の方に向かったみたいだ。
よし!生徒たちの追跡は振り切ったし、私も早く船直しに行こう。
「ルカさん、スイ王女様ってどんなお方なんです?私、スイ王女様の大ファンなんですよ!」
…………エルル先生、あなたもですか!?
ファンって言ってくれることは嬉しいけど、質問攻めにはしないでくださいね!ボロが出るから!




