第83話 漁業見学
次の日。
私たちは今日、漁業を見学させてもらえる。
漁業は農業と違い1日で体験することができるので、体験もできるらしい。
「楽しみだね!」
「漁業の体験ですもんね。初めてですし、興味があります」
「そーお?でも釣った魚は貰えるっていうし、頑張ろっかな!」
フィーアやカイルの他にも、キャルやマルクスもやる気満々。マインもいつもよりテンションが高い気がする。
アルファードはお世話になった人達に1度やらせてもらったことがあったらしく、難しかったよ、と言っていた。
そんなことで諦めるようなメンバーじゃないし、逆に、やってみせるわ、と言っているキャルが隣にいた。
「でも、釣った魚を貰っても上手に調理なんてできないよね」
私の言葉に、場の空気が凍りつく。
あ、ヤバいこと言ったかもしれない。
「2人とも……料理できたりする?」
キャルがおそるおそる聞いてくるが、2人は案の定料理なんてできないらしい。
マルクスは貴族だから使用人がやってくれるし、アルファードは母親や姉に料理を任せて、自分は力仕事をやっていたと教えてくれた。
そして次にみんなが狙いを定めたのが私。
「ごめん無理」
マインがこちらを拝むように見てくるが、できないものはできないし、無理なものは無理だ。
「フィーアとカイルは?」
「私はできません」
「逆に、僕が料理なんてできると思う?」
「できないと思う」
キャルが即答してしまうくらい、カイルは料理が苦手そうに見えるらしい。
カイルはうなだれていたけど、先生に呼ばれて漁業体験のことを思い出したのか、1番に先生のところに駆けていった。
「それじゃあ、料理は冒険者さんとか自由時間に宿の人に頼んでみよっか」
「その手があったか!!」
「確かに、エルル先生は森の中に住んでいたから、魚を捌くのは難しいかもね」
私たちはそんなことを話しながらエルル先生の元に向かう。
カイルが駆けていってから私たちもすぐ行ったんだけど、早めに着いた子にはもう事情が話されたのかな?
地面に座っているSクラスのみんなが、悲しそうな顔をしている。
「何かあったんですか!?」
少しのトラブルで始まるのが遅れた、とかだったら、ここまで悲しむことはないはずだ。それも、ほぼ全員が。
考えられる可能性としては、漁業の見学や体験ができなくなったとか……。
「船が……壊れていました」
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