第79話 A+ランク冒険者
「お、オークキング!?」
「あの、ワイバーンの群れやドラゴンとも互角に戦えるっていう!?」
「逃げなきゃ!!全員死んじゃうよ!!」
「オークキング!?」
逃げろ、と叫んでいる人もいるけど、みんな錯乱していてとても逃げれらる状態ではない。
「エルル先生!早く逃げないと!」
クラスの誰かが、いまだオークキングに対峙しているエルル先生に向かってそう叫んだ。
「私は逃げません。これでも先生ですから、生徒を守る義務があります。
オークキングは魔法が使えないので、近接戦闘メインで魔法を使える私なら、みんなを逃がす時間くらいは稼げるはずです」
「……………………っ!!エルル先生っ!」
「エルル先生、ダメっ!!!」
「先生っ!!僕たちも戦うから!」
エルル先生の言わんとしたことが分かったんだろう。クラスの皆が口々に叫ぶが、先生はそれを無視して指示を出した。
「皆さんは早く逃げてください。
いくらSクラスの皆さんでも、オークキングに勝つのは難しいです。
少し先の未来、エルル先生は生徒を逃がすこともできない無能な教師だった、と言われるのは……私は嫌ですよ?」
生徒に懇願されても、先生は逃げる気配がない。
先生が生徒を守るのは当然だとしても、生徒に逃げてって言われても逃げないなんて、エルル先生って、本当はすごい先生だったんだなぁ。
だからこそ、ここでは先に謝っておきます。本当に、申し訳ございませんでした。
「おりゃっ!!」
──うちのメイドが、この雰囲気良さげなシーンを壊してしまって。
「大丈夫ですか!?」
「う、うん……」
オークキングを袈裟斬りにして私に駆けてきたマリー。
せっかくいい雰囲気だったのに……っていうのは心の中に押し込めておいて、ありがとう、と言葉を返す。
もちろん、エルル先生が危険だったら戦いにも割り込むつもりでいたし、先生の周りに風で作ったバリアも展開してたけどね?
でも、それとこれとは話が違って──
「──ッ!?」
あ、エルル先生が驚いてる。
でも……あれ?A+ランクの冒険者ってこと、エルル先生は知ってたんじゃ……?
「お、オークキング…………っ!?オークキングが、生き返った!?」
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