第5話 パーティー大混乱です
「それでは準備が出来次第、グランドール王国第四王女、グランドール・フラン・スイ様の魔力測定を行います」
私も、準備が出来るまではパーティーを楽しんでいて良いと言われたので、色々な料理を食べてみることにしたのだが。
「こ、これは、あっぴゅりゅぴゃい…………それに、りょーしゅとびーふ!?」
噛み噛みで分からないかもしれないが、私はアップルパイとローストビーフを発見した。準備が終わるまで自由、と言ってもすぐ終わるので、取るのはこの2つだけにした。
「美味っ!」
ローストビーフもアップルパイも、前世でお母さんが作ってくれたやつより美味しい。でも、なんでここにこの料理があるんだろう。……もしやっ!私以外にも転生者がいるかも!?また後で、これを作った人をお父様に聞いてみよう。
「ただいまより、グランドール・フラン・スイ様の魔力測定を開始します」
もう準備ができたのか。
さっき、大きな水晶に触れることで魔力の色と量が分かるってお姉様が言ってた。その魔力の色っていうので、赤だったら火や炎、青だったら水や氷、みたいに適性が分かるんだって。すごいな、水晶。
舞台の上に準備された水晶の目の前まで行くと、指示された通りに水晶に手を触れる。
……なにこれ。なんか白く光ってる。白はさっき教えてもらった基本の色になかった。
「……なんだ、あの色は。見たことがないぞ。もしかして魔法の適性がないんじゃ……」
「まさか。王族が適性なしなんてことある訳……」
私には魔力の適性がないのかな。そう思ってもう一度光っている水晶を見ると。
「わ、われたぁ!?」
やばっ、私大事な水晶割っちゃった!?でも、触れること以外何も……。
「す、水晶が割れた!?やっぱりこの王女様は魔法の適性がないんじゃないか!?」
私の適性がなくて壊れちゃったのか!後でお母様やお父様に謝りに行かなきゃ。
「しかし、そんなことがあったらグランドール王国の権威失墜もあり得る。戦争のときに他国からの援軍が期待できないかもしれない」
………………それは、重大なことなのでは!?私が馬鹿にされるくらいで済むならいいけど、この国の民の命が関係するの?
お母様は倒れかけてメイド長に支えられている。お父様なんてもう気絶してるし。お姉様達は何故か胸を張っている。本当になんで?この国の国民の命に関わるんだよ?
私はマリーに連れられて、1度部屋に戻ることになった。私、"また"、捨てられるのかな。