第3話 転生ってやつなんです
………………はあっ!?
いつもはレースなんてないよね?起きた時に一番初めに見えるのは白い変哲のない天井だよね?でも、ここにはあるよね?
……とりあえず2度寝だね!おやすみ!
…………えー、ただいま、先程の光景が夢ではないことが証明されました。
まず、今誰かに抱きしめられているんですよ。
そしてですね、その人がずっと言ってる言葉が……
「かっ、可愛すぎるっ。流石私の妹ぉっ!」
これだからです、はい。知らない間に姉ができてました。
「離、しちぇ」
「あぁ、苦しかったかしら。ごめんなさい」
今、滑舌がかなり悪かったような……ま、いっか。離してもらえたし。
そして、今私のことを抱きしめていた人を見る。
14歳くらいかな、私より少し年上。ストレートの金髪を腰まで伸ばしてて、これが美少女か、と思わせる容姿だ。水色のドレス着ているし、やっぱりここは異世界なのかな?少なくとも日本ではなさそうだね。
でも、やっぱりこんな姉、もった覚えはないと……
──っ!うわぁぁぁぁぁぁ!!
脳内に私の悲鳴が響く。な、なにこれ?なんか色々分かるようになった。これは、私の、記憶?エナドリ飲んだときみたいに力が漲る。飲んだことないけど。
数秒後、とりあえず情報を得た私は私は改めて口を開く。
「おはようございます、アリスお姉様」
そう、この美少女、私の姉である。なぜ忘れていたのか分からないほどにはっきりと思い出した。
私はこのグランドール王国の第四王女、グランドール・フラン・スイ、2歳で、このお姉様は第一王女のアリスお姉様である。このお姉様は次期女王様なんだよ、この国は女王制だから。
「お姉様、勉強の時間はまだですよね?なにかあったんですか?」
あと私、噛みすぎだよね?2歳の滑舌だから、伝わるだけ良しとしましょう。
「何かあったか、ですって、スイ!大事な妹の誕生日に寝ていられる私ではありません!今日は、パーティーもあるんですから」
「えぇぇ!!忘れてましたぁっ!ステアお姉様ですか!?ジェニお姉様ですか?!」
大変だっ!記憶を取り戻したからには、しっかりとパーティーの準備を手伝わないと!