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第2話 不思議な空間です
気がついたら、私は白い空間にいた。いる、と感じただけで身体はないし、全方位のことを一気に知れる不思議な空間だ。
この場所には何も無い、と教えられた気がしたが、このままでも何も変わらないと思ったのでそんなのは無視だ。
気を取り直して周りを確かめると、下の方に黒い点が出現した。そして次は上の方に白い点が。それが合図だったかのように色々な色の点が現れると、1つだけ気になる点を見つけた。どこにあるかも分からない、虹色の点だ。
私は方向すらわからないその点に向かって歩き出した。きっとそれが、私にとっての最善だと信じて。
ふぁーあ、眠っ。なにか、夢を見ていた気がする。白い……何が白いんだったっけ?……まあ良いや、夢なんてすぐ忘れるものだしね。
考えながら寝返りをうつ。暖かくて気持ち良い場所だ。ゆっくりと目を開けると、視界に豪華な白とピンクのレースが飛び込んできた。
………………はぁっ!?