第13話 再びの会議
「それでは、スイの専属メイド、マリー誘拐事件について、会議を行います」
お母様が会議の挨拶をすると、次に口を開いたのはアリスお姉様。
「証拠はあるんでしょう?見せていただきますわね」
そういえば、元ランドル王国王宮魔術師長さんの名前は、ライガスさんというらしい。
他にも一緒に来ていた人がいたが、それはもとから仲の良かった冒険者で、王からの脅しには関係なくても手伝ってくれただけらしい。自分が貴族でありながら平民にも態度が横柄ではないライガスさんは、冒険者などにも慕われていたらしい。
王から送られてきた、誘拐の方法などを指示されたという紙はあると言っていたが、私はまだ見させてもらえていない。
スイ(様)にはまだ見せられない、とお姉様達やマリーに言われた。なんでだろ。
「これは、正真正銘ランドル王国の王章ですね」
アリスお姉様の後ろから覗き込んだ、ジェニお姉様が言う。
ジェニお姉様は、3人のお姉様達の中で一番賢い。ジェニお姉様、近隣国の有力者の紋章は全部覚えてるんだって。この国の有力者だけでも10家くらいの貴族があるから、この国の隣国であるランドル王国とコルト王国、ティリス王国の分も合わせて、40種類くらいかな?すご。
「では、本当に脅されていたということで合っているのかしら?」
「いえ、アリスお姉様、誇張している可能性もありますわ。この冒険者達の友人というのも、嘘かもしれません」
「そうですね。どうでしたか?」
ナシュアお母様は、4人が冒険者だと分かった瞬間から、冒険者ギルドへの使者を送っていたらしい。お母様、流石だよね。ジェニお姉様の賢さはお母様譲りなんだろう。
「冒険者ギルドに事情を聞きに行ったところ、ランドル王国から旅に来ていた冒険者が、王宮魔術師長の危機と聞き、一緒に行動していたそうです」
「では、少しくらい盛っていても、本当のことなのでしょう。証拠の紙もあること、本人が反省していることから、処分は甘くしましょうか」
「「「「「あ、ありがとうございます!」」」」」
良かったぁ。王都で働きたかったって言ってたし、できれば皆、普通の生活が送れるといいなあ。
「では、処罰は……当事者であるマリーではない方がいいわね、スイ、できるかしら」
確かに、当事者が判決を決めるのは、やめたほうがいいよね。偏った判決になっちゃうかもしれないし。
──うぇぇ!?
「わたし!?」
「そうよ。あなたも王族の一員だし、処罰も決めたことがある方が良いでしょう。それに、彼のことを捕まえてきたのはあなたでしょう?」
「しょ、しょれはしょうでしゅけど……」
「あまりにもおかしい処罰にすれば、私たちが内容を変えるわ。1度、考えるくらいはしてみなさい。それに、『あなた』なら、できるでしょう?」
──っ!!もしかして、私がスイじゃないことがバレてる!?




