第10話 マリー捜索
「マリーが、しゃらわりぇた!」
マリーが攫われた。お金がなにかをたかるんだろうけど、マリーがそれを許すことはない。と、いうことは……マリーの身が危ない!急いで助けに行かなきゃ!
私は[魔力探索]の魔法に込める魔力を増やして、範囲を広げる。一晩で動ける範囲は限られている。マリーが抵抗したりしていたら、転移も集中できなかったはずだから、近くにいる可能性が高い。
近くで、目立たないところ……。
この王都に範囲を広げると、黄色の魔力を纏った人は2人しかいなかった。本当に珍しい属性なんだな。1人はこの王城にいる、つまりはお父様。あとの1人は、近くの森にいる!
「マリー、いまたしゅけにいきましゅ!」
私は窓の枠についた手に力を入れると、足をかけ、もう片方の足も上げる。
「駄目です、スイ様。あなたは、マリーを助けに行くべきではありません。あなたは1国の第四王女です。一介のメイドであるマリーのために、命をかけても良い存在ではありません」
驚きはしたが、アスカだし当然と言えば当然だ。後ろから肩を寄せられて止められただけで驚いていたら、勝てるものも無理になるだろう。
「いやでしゅ。マリーはわたしのせんぞくメイドでしゅ。ほうこくはアシュカがしてくだしゃい」
「やるならば逆です。私が助けに行くので、スイ様が報告してください」
「ほのおとこおりのてきしぇいしかもっていにゃいあなたでは、わたしよりスピードがおとりましゅ。わたしがいきましゅ」
「ダメだと言ったではないですか。簡単に命をかけるなんてこと、しないでください」
うぅぅ。このままじゃ助けに行けないよ。それなら最終手段だ。
私は、昨日の訓練で使った風魔法の上級である[飛行]を使う。長時間使うと身体中が痛くなるらしいけど、短時間なら大丈夫。急いでマリーを助けに行くため、[魔力探索]も[飛行]も全力展開だ。
「わたしのみのあんじぇんをかんがえてくれたことはかんしゃしましゅ。でも、わたしはマリーをたすけにいきましゅ。ほうこくはよろしきゅね」
「──っ!もう、私では追えませんね…………くれぐれもお気をつけて、いってらっしゃいませ、スイ様」
急がなきゃ。マリーがいなくなって、既に一時間くらいは経っていると考えて良いだろう。
しかし、魔力探索でマリーの周りにいる人は水色と緑色の魔力を纏っていたので、相手は私の護衛でもあるマリーを連れ去った張本人だ。気をつけなきゃ。




