第1話 ただの小学生です
「よしっ」
私は加藤静乃。今、ドッヂボールで本日6人目を当てたとこ。名前と違って落ち着きがないってよく言われるけど、知らんよ。私は私だし、名前つけたの祖父だもん。
でも最近、運動関係で私に張り合える子がいなくて寂しいんだよね。
そういえば海琉、どうしてるかな。
海琉っていうのは私のクラスメイトで、私以外なら、学校内で一番運動神経が良い。去年クラスが同じになって、話すようになったんだ。
でも、ちょっと前に行方不明になってからはそのままなんだよね。
よく夜まで遊んで行方不明にはなってたけど、1日経っても帰ってこなかったのはこれが初めてだって海琉のお母さんが言ってた。
クラスの皆で探したけど見つからなくて。3ヶ月経った今では、もうこの世にいないんじゃないかって言われてるけど、私はどこかで生きてるんじゃないかなって信じてる。
──キーンコーンカーンコーン
放課終了を知らせるチャイムが学校中に響き渡る。
「やばっ。次の授業なんだったっけ」
私を含め、ドッヂボールをやっていた子は声を上げて走り出す。
全速力で階段を駆け上がると、周りの子達が「まだあんなに体力残ってたのかよ!」とか言ってるのが聞こえてきた。
私の体力とか学力は努力の結晶だから、皆でも出来ると思うよ、多分。あの、私の両親の特訓に耐えれるなら。
そんな事を考えながら踊り場を曲がろうとすると、ふと、視界の端に人影が見えた。黒いモヤのようなものを纏った20歳くらいの青年だ。気を抜いていたとはいえ、今の今まで気づかなかった。何者!?
そのことに焦るが、避ける間もなく浮遊感に包みこまれる。おかしいな。このくらいなら、受け身くらいは取れるはずなんだけど。
──っ静乃!?
叫ぶクラスメイトの声が聞こえた気がしたけど、半分くらいは夢だったのかもしれない。
お読みいただきありがとうございます。楽しんでくれたら嬉しいです。文章とか変な部分があるかもしれないですけど、気にしないで読んでいただけるとありがたいです。