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異世界依頼人〜何万もの前世の能力で無双する〜  作者: 最大値
第1章 アビスロック編
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第1話 「魔法使いの国ハピネス」




 俺は家に帰り優をソファに置いたら、早速あいつに貰った依頼が浮かぶという書物を使おうとバッグから取り出した。

 

 

 俺は優がいるリビングから出て自分の部屋に行った。

 

 俺は親が去年転勤してからずっと1人暮らしなので彼女とかを呼んで夜の営みだって堂々と出来る。俺に彼女が居たらの話だかな…。

 俺は自分の部屋に入って椅子に座りちょっと低めの机に書物を置いた。

 

 「さあ、最初の依頼は何にしようかな〜。」


 そんな感じに意気込んで思い切って書物を開いた。

 書物を開くと創造者が言っていた通り、文字が浮かんできた。だが、文字は浮かんではきたのだが、言語は統一されて無く、様々な文字があった。

 勿論のことだが、俺にはほとんど読めないものばかりだ。

 今のままではな。

 さっきも言ったが俺は前世の能力が使える。

 そう、例えば様々な言語を翻訳する魔法とかもな。

 この魔法の使い方はとても簡単だ。 

 何故なら俺は「魔眼」を持っているからだ。

 俺の魔眼は全部で100種類を超える。今回はその中で、全てのものを見通す魔眼、「解読の魔眼」を使う。

 俺の眼はクルクルと回転して様々な色に変化していき、やがて、半透明な緑色でひし形のような紋様がある眼になったところで回転は止まった。

 

 「解読」


 俺がそう言うと、さっきまでは全く読めなかった様々な文字が翻訳されて文字は分からないのに、何て書いてあるのかが、分かるようになった。

 何回使ってもこの感覚は不思議なものだ。

 

 「さぁ~て、依頼を決めますか〜。」


 書物には様々な内容の依頼があった。


 「えぇと、どんなのがあるのかな。」


 《彼女が欲しいので協力して下さい。》


 《チェリーのまま死にたく無いのでどうにかしてください》


 《女の子の胸を触りたいです。甜めたいです。吸いたいです。》


 「こいつら、こんなのに命かけんなよ。依頼が失敗したら自分が死ぬの知ってんのか?しかも男ばっかだし、欲望剥き出しにしずぎだろ…」


 俺はこいつらのようなふざけた依頼は無視して、無難な依頼を探した。

 だけど、大半はやはりふざけた依頼ばかりで本当うんざりした。

 そうしてパラパラとページをめくっていくと、依頼の中に「試験」というワードが目によぎった。

 気になって依頼内容を確認した。


 《私は魔法使いの国ハピネスの者です。私は1ヶ月後に魔法学校の卒業試験を受けるのですが、私は魔法学校に通っているくせに魔法が苦手でどうしても卒業試験に合格できそうにありません。解決者さんの目に留まったのであれば、どうか私を卒業試験で合格させて下さい。お願いします。》

  

 なんとまぁ、本当はこれが依頼する側としては普通なのだろうが、さっきまでの依頼が酷すぎて読んでて部活の後輩からの相談みたいに思えてきて、なんだか気持ちが高揚してきた。

 

 「よし、この依頼にしよう。」


 そう言って、依頼内容の一番下を見た。


 《エミリア》


 名前をしっかり確認し、創造者の説明通りにエミリアと呟いた。

 その瞬間目の前が真っ白になったが、やがて色を取り戻した。

 

 周りを見ると見える限りでは、一面草原で広がっていた。周りにはなにもない。

 

 

 この時俺は大事なことに気がついたのだ。

 報酬の内容を確認することを忘れていたことに。

 過ぎ去ったことはどうしようもないので、書物を開いて受けた依頼のページを開いて報酬の内容を確認した。

 

 「えぇとぉ…今回の報酬はエミリア………

  あれ、エミリアって依頼人だよね…

  んーと、どういうことなんだ?」 

 

 見たところ、報酬は依頼人のエミリアという人らしいが、明らかにおかしい。多分、この国のエミリアという名称の食べ物とか工芸品とかだろう…

 そうだ、心配することはない。

 仮に本当にエミリアという人が報酬だとしても断れば良いだけのことさ。報酬を断ってはいけないなんて何処にも書いてないからな。

 

 おっと、肝心な事から遠ざかっていた。

 今考えるべきことは、ここから魔法使いの国ハピネスを探すことだ。

 でもまぁ、探すことに関しては魔眼を使えば良いだけのことだがな。


 「万里眼」

 

 俺がそう言うと、視界が何千倍も広がりあっさりと魔法使いの国ハピネスを見つけることが出来た。

 ハピネスまでの距離はここから歩いて丸1週間はかかるだろう。

 まぁ、俺にはこんなに遠い場所に歩いていくという発想すら湧かないがな。

 俺は体全体に魔素を集めて高密度にし他の生物に反撃されないようにして足を地から離す。

 そのまま空中の高度を上げていきやがて雲を超えて下から人に見られても見つからない位置まで上昇した。

 

 「このくらいの高度でいいか。」


 そして俺は目的地のハピネスに向かって、空を移動していく。空気抵抗はない。高密度にした魔力により、俺自身は空気抵抗を感じないからだ。

 魔法ってなんて便利なんだ。

 

 それから10分あまり移動していくとあっという間に、ハピネスが見えてきた。

 俺は空からハピネスの中に入ろうとしたが、ハピネスの国中に半円を描くように魔力結界が張られていた。

 突破すること自体は容易なことだが、突破することで大罪人にでもなったら依頼どころか依頼人に会えなくなるかも知れない。

 まぁその時は依頼人をかっ攫って、どこかで魔法の指導をすればいいのだが、俺だってわざわざ面倒なことはしたくない。

 最初の依頼だから、失敗したくないのもあるが。

 

 そうして一通りハピネスを見渡したところ、検問所のような場所があった。

 検問所に近づいて下に降りてみると、上からではあまり感じなかったが、とても大きな何かの金属製の門が開いていた。

 その門の下に人が並んでいて俺もその列に並んだ。

 並んでいる人達は人間だけではなく、エルフやドワーフ、獣人、更には異型の魔族もいた。

 1時間くらい並んで俺の番が回ってきた。

 

 「通行許可証を提示して下さい。」


 通行許可証?聞いていないぞ。そんなものがいるのか。でも確かに何処の世界でも似たようなものはあったな。

 まぁこういう時の対処方法は決まっているが。


 「すいません。俺は通行許可証を持っていないので提示することは出来ません。ですが、ここは魔法使いの国ハピネスですよね。でしたら今から国中が誰でも驚くような魔法を使うので、通して下さい。」


 これは俺が今までの人生でも何度も使ってきた方法てある。


 「そんな横暴が通じると思っているのか?通行許可証が無いならさっさと帰れ!忙しいんだ。」


 まぁ最初は誰でもこうなることは分かっていたが毎回毎回同じような反応をされると面白みが無くなってくるものだ。


 「では、この大魔法使いリュウセイの偉大なる魔法を見せてやろう。」

 

 そう言って俺は宙に浮き、検問所の奴らを上から見下ろして右手を上げ膨大な魔力の塊を作った。

 今俺に少しでも近づけば灰も残らずに一瞬にして自然に還ることだろう。


 「なんだ…この魔力量は見ているだけで腰が抜けそうだ。」


 検問所の奴らは本能的に悟った。死が迫っているのだと。


 それから俺はその魔力の塊を無数に分解して、更に高密度の魔力の塊にして魔剣を作った。それも1つや2つではない。無数のだ。


 検問所の奴らは、ただ呆然と空を、いや、空に浮かんでいる無数の魔剣とそれを生み出した俺を見ていた。


 俺は無数の魔剣の中の1本を検問所の1人に投げつけた。

 魔剣は検問所の人の頭1つ分横に刺さった。

 

 「ひいぃぃぃぃ!!」


 検問所の人は自分のまよこに刺さった魔剣を見て悲鳴を上げた。

 

 それから検問所の奴らの様子を見て、魔剣を消し地に降りた。


 「これでも通行許可証はいりますか?」


 「い…いいえ!い…いりません!!どうぞ。有意義な時間を過ごして下さい!!」


 そう言って検問所の奴らは怯えながら門の下を潜っている俺を見ていた。

 あの様子じゃしばらくトラウマ残るだろうな。

 俺は責任などは取らないが。


 やがて門を潜り終わると光が目に差し込み、街が見えていた。

 街は地球でいう中世ヨーロッパ風で人口もとても多そうだ。

 上を見ると、ほうきにまたがって飛んでいる人達が大勢いた。魔法使いの国だけある。

 だが、この世界では人と魔具無しでは空を飛べないのか?この世界には魔具無しでも飛べるくらいの魔力密度はあるはずなのに。

 まぁそのことは後で調査するとして、依頼人のエミリアが依頼に書いてくれた待ち合わせ場所に行こうか。 

 

 俺は街を歩いた。色々な店があった。魔具を売っている店がやたら沢山あったので少し見てみると、今までに見た事の無いような魔具が沢山あった。

 そうか。ハピネスという国は魔具の発展に伴って魔法が盛んになり、発展してきたのかも知れない。

 だが、魔具に頼りすぎていて魔法の技術の発展が著しいといったところか。


 しばらく歩き、街を抜けるとさっきまでの賑やかな雰囲気が全く感じられない様な森に入った。

 森は高層マンションほどとまではいかないが、とても長い樹木に囲まれていた。

 上を見ると樹木によって光が遮られていた。

 地面も樹木の影によって、薄暗い。夜になると真っ暗になるのだろう。

 周りを見渡すと樹木の他にも様々な植物が生えていていかにも森という感じだ。

 そうしている内にエミリアとの待ち合わせ場所に着いた。


 待ち合わせ場所はさっきまでと違い少し開けた広場のような場所だ。

 そこには真ん中あたりに木で作られたベンチのようなものがあり、1人の少女が両足を閉じて座っていた。

 

 少女は透き通るような青い眼。

 

 太陽光を反射するような銀髪。

 

 日焼けを全くしたこのないような白い肌をしていた。

 

 年齢は俺と同じ位だろう。

 

 背は160センチ程度。

 

 少女は俺が近づくと立ち上がり俺に微笑んだ。

 

 美少女だ。


 「あなたがエミリアさんですね?」


 「はい。私が解決者さんに魔法学校の卒業試験の手伝いを依頼した者です。」


 この人が依頼人のエミリアさんで間違いないようだ。


 「では、詳しい話を聞きましょうか。」


 

 


  

 第1話を読んで下さりありがとうございます!

 毎日投稿がんばりますので読んで頂けたら幸いです。

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