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4月始まりの秘密

筆者は早生まれなので、この制度が本当に面倒だと思っています。

皆さんは、何故新年度が4月から始まるのかご存知ですか?


おそらく、多くの人が1度は疑問に思ったことがあるでしょう。


一年の始まりは1月なのに、何故新年度は4月から始まるのか。それにはこんな謂れがあります。




江戸時代の始め頃までは、暦通りの元旦に新年のお祝いをして、4月は特別な時期ではありませんでした。


これが大きく変化するのは17世紀の終わり頃、『犬公方』で有名な五代将軍徳川綱吉の時代。


綱吉は、わんこ大好きみたいなイメージがありますが、実際に犬を大事にしろと言ったのは綱吉ではなく、綱吉のお母さん桂昌院さんの寵愛を受けた隆光僧正というお坊さんだったと云われています。


なんで綱吉はそんな人の言うことを聞いちゃったかっていうと、綱吉はわんこよりもお母さんの方が大好きだったそうで、お母さんが「だって、隆光さんがそう言うんだもん」と言えば、NOとは言えなかったとか。


そんなことがきっかけだったとはいえ、綱吉さんは元々心優しい人でしたので、実際に犬を大事にするようになってから、自分でも犬を何匹か飼って可愛がっていたそうです。


ま、将軍様ですから、お世話は家来の方がしたのでしょうけど。もしかしたら、将軍様愛犬御用達のブリーダーさんでもいたのかもしれないですね。


そして、自分で飼ってた犬の中で、特別にお気に入りの女の子がいたそうです。


その子の名前は「お玉」ちゃん。


由来はなんと、お母さんの通称。


流石にお母さんの桂昌院さんも、これにはドン引きしたとか。




さて、そんな綱吉お気に入りのお玉ちゃんが、ある年の春に子供を産みました。


もちろん綱吉はその仔犬も溺愛します。溺愛しすぎて、大奥へ行くのも忘れて犬小屋に入り浸ったとか。


そしてこんな事を言い出しました。


「毎年お玉の子の誕生月である4月は、新たな命の誕生を祝う月とする」


さて、将軍様がそう言うのだから、家臣達はこれを守らなければなりません。


しかし、綱吉からは具体的にどう祝えとも言われず、困り果てていました。


ここで少し話が綱吉自身に戻ります。


綱吉は、生類憐みの令が有名すぎて、他に何をやった人なのかよく知られていませんが、実は学問をとても重んじており、特に儒学をとても推奨していました。


綱吉の行った学問に関する政策の影響で、この後に歴史を動かすほどの学者が何人も輩出されるようになるのですが、綱吉から「新たな命の誕生を祝う」と言われた家臣は、ここに目をつけました。


「毎年4月は、次代を担う子供達に学問を習わせる月とする」というおふれを出したのです。


そしてこの習慣は意外と広く広まり、綱吉の死後に生類憐みの令が廃止された後も、風習として残り、今日の新年度という制度に結び付いているといわれています。




まったく、面倒くさいことしてくれたもんです。

このお話はZIROの思い付きで実際の人物・出来事とは一切無関係です。

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