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覚醒
少年編スタート
暗い闇の中、意識が戻る。
身の周りを確認することができない、体が鉄のように重く、瞼すら動かせない。
ここは何処だと自問する当たり前だが答えは無い、目も開けられ無い、口も開けない、頭も痛い。
ーーーガラガラガラ
「失礼する先生、先月ここに連れてきた少年はどうだ?」
女性の声が聞こえる。
「ペルトさん、ここは病院です、小さいからと言って大声を出さないで下さい、この子がまだ寝ています」
「すまない、それで少年は、無事だろうか?」
「この子が来たときは驚いた、右眼の中が破裂、全身粉砕骨折、体の五割以上が火傷、生きているのが不思議なくらいだった」
そう言うと、俺の額に手を当て、撫で始めた。
「この子は問題なく生命活度はできていると言っておこう、ただいつ目を覚ますかがわからない、傷が多すぎた、人族なら普通は死んでもおかしくない傷だ」
「この子は今回皇帝陛下の命令で魔族領との国境付近にある村の確認に行った時に偶然見つけられたんだ」
『後悔』そう感じた、ペルトと呼ばれた女性は、強い悲しみを持って、話した。指一本も動かない俺の前で。