プロローグ
ーーーそこは、まさに地獄、雪が降り、民家のすべてに火が回っている、地面は紅く染まり死体の山ができている、この場所には一人の少年だけが立っていた。右眼の下に紋様が刻まれた少年が。
僕は何をしていたのだろうか、身体が燃えるように熱い、身体が赤黒く染まっており身体が動かない。
目の前に父の死体がある、今まで厳しくも優しく、僕を育ててくれた、父の死体が。
僕の頬が、なぜだか熱い。
僕は今まで、何があったか思い出せない、頭が砕けるように痛む。
ーーーカッ カッ ジュゥゥゥゥ
ーーーカッ カッ ジュゥゥゥゥゥゥ
誰かが炎魔法で村に火を放って攻めてきたあとの記憶を思い出す事を拒否するように頭が痛ム。
誰が攻撃してきたのか、悪魔族|だろうだけど、今はもうこの場所にはいなイ。
ーーーカッツゥゥゥゥン
ーーーカッツゥゥゥゥン
鋼を鍛える音
身体を 心を 血液を 鍛える音
身体が燃える、熱くは無い
心が砕けた、痛みは無い
血液が暴れる、感覚は無くなった
自我が壊れる、人では無くなった
ふと、自分が嘲笑っているのかわかった。
ーーーアァ、俺ハ壊レタノカ。
そこには、嘲笑い続ける、醜い少年が立っていた。