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桜蛇お嬢は自由奔放、無手勝流!@Real ⇒ Fantasy Adventurers  作者: 酒色南肴
4 This Play within That Play within Our Play.
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66.手段と目的を取り違えるべからず

『味方ステ大幅アップかつHPプールなスキルの選別聖域は?』

『モブ・ボスや諸々のフィジカル系トラップなら簡単になるだろうが、クイズや運試しに阻まれるだろ』


『あれって制限時間もあるみたいだしねぇ』

『かなり効果時間を延長できるようになったと伺っています』

『さすがに極悪ダンジョンを踏破できるほどの長時間は見込めませんね』

『現状、是が非でも踏破したいものでもねぇしな』


 陰陽姫も泥黎三瞳神も空を飛べるので、空路でテサテスハンシへ。

 と言っても、プレイヤーに見られないようにする必要があるので、雲の上に出る高度を維持する必要があったりして。


『幼女に掴まって飛ぶ、妙齢で三頭な肢体の図…』

『高高度まで昇るのは無理なんだよねぇごめんねぇ』

『なぜでしょう、蓮華座スキルでの上昇範囲に収まっているようです』

『おいニコ、天使の羽は飾りか?』

『ジンこそ。悪魔の翼は?』


陰陽姫(ケツァルコアトル)は鳥と蛇の合成(キメラ)だけど、三瞳神(トリグラフ)は三つ頭の軍神つー構成(キャラ)だからじゃね?』

『逆に三瞳神デフォルトの空中浮遊は、天使と悪魔と蓮華座由来で加わったユニーク要素であるだけ説』


 一応融合前のステータスやスキルを参照にしてるらしいからな、バイト形態。


『たしかにな。空中移動も得意じゃねぇわ』

『まあその分をぉ、中遠距離大火力で補ってるとこあるかもねぇ』

『近距離に応用できる火力スキルですと、巨爪くらいしかありません。その巨爪も、三瞳神はステータスの高さから、衝撃波を生み切り裂ける特殊効果発生域に達しているため、近づく必要がありません』


 巨爪は、三瞳神の中でも悪魔なジン氏が由来と思われる、物理攻撃スキルだね。

 普通なら斬属性の爪で攻撃するだけの近距離攻撃なのだが、ステータスが一定以上あると、貫属性付きの真空波が発生する中距離対応に変わるのだ。


『うーむ。そうすると中に入ったら三瞳神はクイズ扉にふわふわ直行、扉前待機&謎解き&遠距離ブッパしてもらうがよき?』

陰陽姫(おれら)は?』

『強制スクロールにモブや闘技殿堂なボスを巻き込むよう動きつつ、天然宝庫のトラップぶっ壊し前進?』


『そっちの方が楽しそうです。非常に。とても』


『運試しの扉もぉ、この中だと蛍に任せたいよねぇ、あ、そうだぁ、謎々や運試しの扉を全部力づくで壊すとか、挑戦したくないぃ?』

『いいですね。がんばります』


 蛍さんの破壊衝動を巧く操作したニコ氏、ファインプレイ。


『力づくで破壊できんのか? 不壊オブジェクトじゃ』

『蛍さんが全力で当たればあるいはイケるかもしれませんイケないとしても努力はわたしが見届けるので無駄にはなりませんゆえに蛍さんの気分をアゲアゲにするためにもよろしくお願いします』


 ノンブレスでジン氏の正論の封じ込めに成功。

 それ、わたしもヒューも、そして提案したニコ氏だってわかってるっス。


 三瞳神様におきましては、三つの頭という複数指令部を効果的に使ってもらいましょう。

 具体的には謎々や運試しの扉にニコ氏、陰陽姫の支援に遠距離火力でジン氏、不可能かもしれない扉破壊に蛍さん。


 …よもやまさか。蛍さんが糸術を用いて、本当に力押しで扉ギミック解除をしちゃうとは…この時は誰も思ってなかったです、はい。


 話を戻して。


『流速遊園にあった、飛翔制限ギミックのフィールドでは三瞳神が有利よね』

『羽や翅を使い物にならなくされるんだったか』

 うん、そう。あれについては精霊やレイスを含む、浮遊タイプが有利なんよ。


『わかりました。その時には私が露払いの役目を担います』

 頼もしい。でも、私がじゃなくて三瞳神(私たち)が、ね。正しくは。


 蛍さんにはこの星虹樹海ダンジョン攻略を通して、ぜひとも三者での意思疎通を前提とした協力(チーム)戦、というものを覚えて欲しい所存。


『今のままだと、正直言って目につく場所を破壊して回ってる神なんだよな…』

 一般プレイヤーの三瞳神へのイメージそれな。


『ちゃんと敵の動きを見て、的確に対処しているつもりです』

『誤射はしてねぇよ』


『うん、敵の動きは見えてますよね。敵の動きは』

『うん、ターゲットの敵だけをしっかり削ってるよねぇ』

『うん、味方(プレイヤー)が手を出す隙がねんだわ』


 破壊魔(蛍さんとジン氏)の自己弁護を、笑顔でいなします。異議しかないんだわ。


『支援して誘導した味方が、こちらが直接的な手を出すまでもなくバッチリ敵を撃破した時とか、わりと満足度高いんだけどなぁ』


『自身の技量を磨いて、真正面から打ち勝つ戦闘でないと楽しめません』

 あ、はい、そうですか。わたしはどっちも好きなんだがな。


 とまれ。作戦会議をしつつ地図を見つつで青い空の中飛び続け、目測付けて降下すれば…見えてきましたよ、テサテス島ならびにハンシ島。そしてその間を繋ぐ大橋。


『そういやジン氏。三瞳神状態でもシゥは呼べるんです?』

『できねぇな。この(なり)八大死霊の頭領(シゥヴァーマ)をうっかり出しちまったら、プレイヤーに正体がバレかねないからかね』


 そうなのか。パーティ組むにしても陰陽姫と三瞳神じゃ二人扱いで、フルパには5人足りないところなのよね。シゥ呼べるなら戦力に入れられると思ったんだけど。残念。


『あいつはどうした、シュシュが契約してる…耀太だったか?』

『たぶんジン氏と同じ理由で、無理ですね』


 まあ耀太を今呼べたとしても。ステータス的に、星虹樹海はまだまだ全然無理かなー。プレイヤー☆5でも圧倒的にキツいだろう鬼畜仕様ダンジョンですし。

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