35.こうしてRFAの初日は終わる
わたしとしては二回目の最初の洞窟探索はつつがなく終了しました。
二回目の最初ってなんか浪漫を感じる。なぜだろう。タイムリープ的な何かだろうか。
一回目の野良パテの時とは違うところがしばしばありましたね。
宝箱の中身が微妙にランクダウンしていたような。MP回復薬だったのがHP回復薬だったり。あとはボスのジビエ不可能熊の火力が前より高く感じたり。
前者は称号のバランスパーティが、ミナキたちと合わせて4人分重複していたから?
後者はパーティ人数が多かったから?
などという分析をしています(ライハとリカムが)
キィリィ兎たちの支援効果もなかなか。チュートリアル終わったばかりだから、まだ一種類ずつ。
デバフ役キィはライハと同じ、クリエイト・火を選択。バフ役リィはスピードアップを選択。
ライハとキィが敵の鼻先に火を出して怯ませたところで、AGIアップした味方が続々攻撃。支援らしくチーム戦を前提とした選択だね~。
なお、リィのバフは無属性魔法。ヒューのパワーアップと同系統ってことね。
以降、二回目探索での出来事諸々。
まずはわたし。気合を入れて弓を奮った甲斐があり、二回目のボス撃破報酬は弓を入手できました! 撃つじゃなくて殴るに使用していたからだろうか、ごっつい印象のコンポジットボウっぽいやつだ。部分的にいろいろな素材が使われていて、素人のわたしが見るだけじゃよくわからない。
欲しい武器の数だけ周回できるね、これ。
強さは初心用を脱してるし。ただ、一回目の時の方が性能がよかった気がする。初回撃破的なボーナスだったのかなーくらい違う。ヒューたちが周回するみたいだから、要経過観察ですな。
そのヒューですが、彼は殴り盾を手に入れました。一個だけど、スパイクびっしりついてるやつ。カウンターなんたらって感じの名前だったけど…。運営、そいつの盾の使い方はカウンターちゃう。鈍器や。攻撃力はありそうだったから、結果オーライのようだが。
あとは。
ライハが斧で洞窟の壁削って壊そうとしたり(失敗)、リカムが洞窟の天井に根を生やしてみようとしたり(失敗。「レベルが足りないか?」とか言ってた)、兎双子が大ナメクジを素手で潰してきゃっきゃ遊んでたり…これは見なかったことにしていいかな。双子の武器が兄が一本鞭、弟が乗馬鞭だったこともわたしは見なかったことにしたいです、うん。特にバフ役弟の乗馬鞭がやばいと思う心の声。
とまれ。めでたく全員、冒険者のビギナーが取れましたよ。ボス熊倒すと強制でビギナー卒業説が濃厚になったね。
なお、新たに加わった兎っ子たちのデータ(キャラクリ時)はこちら。
リアル情報も含めて本邦初公開~。
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本名:香木壱紀
《リアル》金髪水色目
中坊双子の兄の方。スポーツウィップのクラブに通っている。
《RFA》キィ 兎☆ 種族 Lv 1
STR 7
VIT 8
AGI 15
INT 8
MND 13
DEX 10
LUC 9
<スキル> 先制 Lv1
髪:赤桃
サイドポニテ
目:黄緑
メモ:Sだが手加減はできる中学生
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本名:香木玲璃
《リアル》金髪水色目
中坊双子の弟の方。たまに兄についてジム(クラブで使用)に行き、一人プールで浮いている…浮かぶだけ。
《RFA》リィ 兎☆ 種族 Lv 1
STR 12
VIT 10
AGI 9
INT 10
MND 17
DEX 4
LUC 8
<スキル> 鈍感 Lv1
髪:黄緑
ドリルツインテ
目:赤紫
メモ:ぶりっ子はしても姫プレイはしない中学生
※先制…先に行動をするとボーナス(微)がつく(AI判定)
※鈍感…精神系の状態異常にかかった時、小確率で軽減する
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そういえば双子兄、鞭上級者だったな…。
ん? どっかで見たひな型だって? 気にしない気にしな~い☆
気を取り直して。
ルケ島の0時現象は漁火っぽい何かでしたよ。
海の方を見ると、ぼうっと連なった光が見えるの。けっこう明るくて、街の中にいても空の色が変わるからわかる。それが零時から数分続く。終わるとすうっと消える。全方位に見えるから、北に位置する大陸のイカ釣り漁船が云々というわけではなさそうです。というか、あるのかな、イカ釣り漁船。
「っと。隙間時間に報告入れておこうかな」
ゲームの話題が多いな。一日のほとんどをゲームで過ごしたんだから、当たり前ですね。
「ゆい? ああ報告書か」
「あ、コーヒーだ」
「ゆいはどっちにする?」
「ん~比悠と一緒にする」
コーヒーも紅茶も嗜む我らです。座ってるソファの前のローテーブルにコトンと置かれたコーヒー。比悠に感謝を告げ、口をつける。うん、比悠が淹れたコーヒー旨い。これでわたしが紅茶にするって言ったら、わざわざお湯を沸かし直してゴールデンルールで淹れてくれるダーリンなんだぜ…比悠最高か。
夕食後、各々RFAにログインしたわけだが…各々自分の家に帰ったとは言っておらんのだぞ。わたしはVR機だけ持参して比悠宅からinしたんだぞ、ふふふ。
今は携帯で報告メールを作成して送信するところです。
「ゆいちゃんは小まめに報告してくれるのにあんたときたら! て、こないだ母さんに言われたぜ」
「君らの場合は親子だからねぇ。便りがないのが元気の証拠みたいなとこあるよね」
「そういうことだっての。第一、自分の兄貴の報告とか、気まずくねぇ?」
「わたしは一人っ子だけど…想像すると気まずい気もする…」
時悠の動向を告げ口してるようなもんだからなぁ。比悠の気持ちもわからなくはない、と思う。時悠を守ろう! の一端なんだけどね。当人も了承してるし。
ま、でも今は、それよりさ。せっかく二人きりなんですし。
甘えたい気分ですよ。
「比悠、カナさんと組んでた…」
チュートリアルの森戦闘の件ですな。
「ああ。リアルと違って、カナさん戦闘職だからなぁ。しかも後衛だから、近接武器のおれと組んだ方がいいし…」
「むー。わかってるけど~なんか悔しかった」
隣に座った比悠の肩にぐりぐり頭を懐かせれば、期待通りによしよししてくれる。好き。
「でもよ。ゆいだって野良やってたんだろ。おれのいないところでさ」
う。そうだけど。
「意気投合してたみたいじゃん」
「趣味は合ったね」
「おれと近いのか?」
「比悠はラノベも他の小説も読まないじゃん。ゲームの話なら一緒にできるかも」
「そっちか」
「ギャルゲーやってるかはわかんないや」
「ゆいに気がないかを確かめがてら、話つけるか」
「なんの話をつける気ですか」
「野郎同士のオハナシだ」
なんだそれ。
「無駄なことするねぇ」
「無駄じゃねーよ」
「わたしは比悠だけが好きなんだよ?」
黙った比悠の腰にぎゅーっと抱き着いてみる。いちゃいちゃ落ち着く~。ぐりぐりぎゅうぎゅうの刑だぞー。
「やめた。知らねー野郎より、ゆいに時間使うわ」
「うれしー! ぜひぜひそうして~」
甘々いちゃらぶで心の充電完了~。これでまた戦えるってものよ!
会話シーンの前後関係(意味深)は読む人の想像にゆだねます( *´艸`)




